狐珀アマルティア
悲しき現実・付けられた名
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その叫びに、喉を詰まらせた。
次々と暴かれる狐珀の惨状に、それを創造する脳でさえもついて行けることが出来なかった。
「もうやり直すことはできねぇんだよこっちは」
先程の怒りとは真逆に、悲しそうに顔を歪める。
「・・・」
奇妙な沈黙が流れ、上空に聞こえるビニールに豪速の雨粒が激突する音だけが大きく聞こえた。
「・・・」
『士道、聞こえる?』
そんな沈黙を知らないのか、士道の妹、琴里の声が士道の右耳に付いていたインカムから聞こえる
『返事はしなくていいわ。ちょっと、これ狐珀に渡してくれる?』
これというのはこのインカムのこととすぐに分かり、耳から取り外し、手の平に乗せると、狐珀の前に突きだす
「・・・なんだ?」
未だ血塗られたような瞳をした狐珀は、それを見て目を丸くする
「付けてくれだと」
「・・・鼓膜バーンとか無いだろうな」
「何心配してんだよ!ねぇよそんな技術!」
全く想定していなかった心配ごとを言われ、つい声を上げてしまった。
しかし、何故か狐珀は半信半疑な様で、全く訳の分からない心配をしながら、耳にインカムを付ける。
『変な心配するわね全く』
「あ〜。よぉ琴里〜」
『初めまして・・・じゃないのよね?』
「そだぞ〜」
「・・・すっげ〜キャラ変わったな」
「うむ」
二人は先程と違い、良い(?)方向に豹変した狐珀を唖然とした目で見ていた
『・・・ややこしいからあんたの名前教えて』
「狐珀」
『そういう意味じゃなくて・・・呼びやすいようにあだ名みたいなの』
「あだ名?・・・・・・・・・キツネ?」
『それ基本言ってるから分からないのよ』
「じゃぁどうしろってんだよ!」
いきなり声を荒げたが、黙りなさいという冷酷な威圧のある声がインカムから聞こえ、こいつに逆らったら死ぬ・・・みたいな考えが頭をよぎった
『うるさいから鳥ね』
「却下だ。ぜってーそれだと返事しねぇ」
『じゃぁどうしろってのよ』
「それ聞いてんだろうがよ・・・」
『・・・こっちで決めていい?』
「俺が許可したものだけ」
『あそう』
その後、恐らくフラクシナスでは、狐珀のあだ名を決めているのであろう。
1、2秒経過して、琴里の呆れた声が聞こえる
『一、赤眼』
「どっかの喰種さん思い出すから却下」
『二、魔眼』
「それ呼び名じゃねぇじゃん」
『三、朱雀』
「・・・一瞬いいと思ったけどやっぱ何か気に食わないから却下」
『四、八咫烏』
「却下だ却下。俺は厨二病じゃねぇ」
『もうないわよ』
「あぁ!?」
『だって人のニックネーム決めるのって意外とメンドクサイのよ』
「ついにこいつ投げやりになった・・・」
インカムでも聞き取れない程小さな声が開いた口から少し漏れる
『なんか言った?』
「な
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