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デート・ア・セブン〜七つの大罪と美徳〜
狐珀アマルティア
悲しき現実・付けられた名
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精霊の中間ということか?」
十香が言うと、うん、と首肯した。
「じゃぁもう一つ質問。狐珀は二重人格か?」
「違う」
先程の質問よりも断然早く、すぐさま否定した
「あれもボク。自分の命を守る為に自分を壊して、無理やり人を変えた」
士道は、狐珀の答えに数秒頭の思考がフリーズした。
今まで、二重人格のようなもので、戦闘を好む人格が表に出て、人を殺したりしているのかと思っていた。しかし、彼はただ、自らの命を守ろうとしただけであり、無理やり、自分を壊してまで自らの命を守ろうとしただけだ。確かに殺す必要は無かったかもしれないが、あの時、自分を無理やり言い聞かせて、自らを守っただけだった。
二人の心に悲しさが込みあがる
「し、しかし、殺さなくても良かっただろう!」
「じゃぁ十香の身体にボクの肉片が飛び散って大通りに調理場にいる豚みたいにコロコロ転がって血だまりを作った方が良かった?」
「そこまで言ってないだろ!」
十香が一瞬その光景を想像したのか、ぞくっと体を震わせてから声を上げる
「じゃぁ、どうしたら助かった?」
「それは・・・あのでっかい手で守ればよかったではないか!」
「そしたらぺしゃんこになった前部分の爆発で結局死ぬ。自分が死んだら最悪。でも赤の他人、しかも自分を殺そうとした奴だから」
「だから・・・殺したってのか?」
ずっと黙っていた士道が口を開く。すると、何のためらいも無く、狐珀は頷いた
「他に無かったのかよ!?例えば手で自分を突き飛ばすとか!」
「手はすぐに消えない。結局あっちが死ぬ。士道だったら大丈夫だったのにね」
「・・・なんだよ・・・」
「不老不死の特異体質。凄いね、おめでとう」
「はぁ!?」
「馬鹿みたいにのうのうと生きて、コンテニュー数無数。いくらでもやり直しが効くその体がとても羨ましい」
「やり直しなんて効かねぇよ!」
怒りを口から吐く士道とは逆に、狐珀はその顔を一切変えなかった。勿論それは病気であり、変わることはないが、先程のような威圧感を出している訳でもない。ただそこにポツリと佇んでいるだけの状態であった。
「やり直すのは自力でやるもんなんだよ!能力とかじゃねぇ!」
「自力?やった結果がこれだ」
一度瞬きした目はまるで手品のように真っ赤に染まり、表情が怒りへと豹変する
「いいか!?てめぇのような素晴らしいお花畑の思考を持った奴らだけじゃねぇんだよ!守る為にこんな風にして!なのに同じ人間から天敵扱いされる!アニメだったらすげぇ設定だろうけどなぁ!その設定で生活してみろ!全てが敵だ!何処を見ても敵だらけ。そんで、俺だって自力でやり直した!あいつらに理解してもらおうと思ったさ。そしたら、至近距離から弾を百発心臓めがけて撃たれたんだ!何だこの仕打ちは!?自力でやって結果最悪なんだよこっちは!」
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