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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第496話】
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う――まあ、俺に会いに来た訳じゃなかったら恥ずかしい勘違いになるが。


「す、少し、じ、時間、ある……!?」

「え? ……あぁ、大丈夫だぞ」


 朝食も直ぐに食べ終えるし、俺自身も断る理由もなかったからそう答えると、安堵したのか簪は側にあるベンチに腰掛けた、手に持っていた紙袋を隣に置いて。


「ひ、ひ、ヒルト……っ。 か、体の方は大丈夫……?」

「体?」


 昨日、戦闘が終わってから寝てる間に検査されたらしいが、体の何処にも切り傷はおろか青アザもなかったと聞かされた、レントゲンも撮って貰ったが骨にも異常はなかったとか。


「体は大丈夫だ、元々丈夫な方だしな。 簪はどうだ?」

「わ、わたしは、す、少し……痛い……かな? ……でも、へ、平気……っ」

「そうか。 今日は休みだし、取り調べ終わったらゆっくり休むんだぞ」


 そう言うと此方を見て小さく頷いた簪、暫く俺と簪の間に沈黙が続く。

 それに堪えきれない俺は、咄嗟に楯無さんの容体を聞いた。


「そういえば、楯無さんはどうだったんだ? 命に別状がないのは知ってるけど、詳しくは聞いてなかったからな」

「お、お姉ちゃんは……暫く、医療室で経過観察……」


 経過観察ということは、まあ入院って事だろう、実際簪を庇ってかなりの深手を負っていたのだから。

 一度様子を見に行こう――そうなると、何か差し入れを入れないとと思うのだが、彼女の趣味も知らなければ好きな果物も知らなかった。


「簪、楯無さんの趣味って何?」

「え? えっと……将棋、かな……」

「将棋か」


 相手がいなくても出来るものなのだろうか、流石に出来なさそうなものを差し入れするのもダメな気がする。

 そう考えていると、簪の大きな声が聞こえてきた。


「お、お姉ちゃんのことっ! き、気になるのっ?」

「え? 当たり前じゃん」

「ぁ……。 …………」


 悲しそうに俯く簪に、首を傾げながら俺は言った。


「楯無さんの容体、気になるのは当たり前の事だし暫く入院するなら差し入れは当然だろ?」

「……え? 差し、入れ……?」


 聞き返す簪に、小さく頷くと簪は安心したように胸を撫で下ろした。

 一体何を勘違いしたのだろうか、疑問に思ってると簪は――。


「けん玉」

「ん? けん玉?」

「うん。 お姉ちゃん、けん玉を歌いながらずーっとやってるから……」


 意外な楯無さんの趣味に面をくらいつつ、一つ気になった事を聞いてみた。


「じゃあ、逆に楯無さんに苦手なものってある? わりかしイメージ的には何でもこなしてるからさ、あの人」

「んと、
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