レベル1 最高の鍵は最硬の槌である
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「最初からこれで吐かしゃあよかったんだよぉ」
「え?」
樢がギョッとして振り返ると、ルベーサはギラギラした笑みを浮かべながら、
なんかカードの束をまた構えてた。
「……え?」
「決闘だぁ。お前が勝ったらこれ以上何も聞かねぇ。だが俺が勝ったら知っていることまるっとゲロってもらうぜぇ」
「う、うわぁ……」
あのカードのデザインは遊戯王だろうか。樢は記憶を引っ張り出す。
遊戯王は今も主人公を変えて続いていること、ずっと昔に神のカードだのを賭けて戦っていたこと程度しか樢は覚えていない。
それよりも、目の前のいかにもアブナそう(少しオブラートに包んだ)な人が、まるでアニメの見過ぎであるかのような言動を取っていることが、樢にとって恐怖だった。まるで交通事故の話を聞いた帰りに車に轢かれかけたかのよう。
「……そういうの、やめたほうがいいよ。ホントに」
「早くデッキを出せぇ。サレンダーかぁ?敵前逃亡とは、俺の力に恐れをなしたかぁ?」
「いやだから、そもそも私遊戯王知らないし、デッキも何も……」
「じゃあ……」
子供の声が、背後からした。
「ぼくが樢さんの代わりに戦います」
振り向くと、先程まで寝ていた男児がデッキ?を構えていた。
「えぇ!?」
(な、なんかややこしくなっきた……!)
「ハハハァ!なんだガキィ、騎士気取りかぁ?」
「騎士気取りではありません」
男児はとことこと歩くと、樢とルベーサの間に割って入った。
「正真正銘の騎士です」
それだけ言うと、男児は樢の方に向き直り、ぺこんとお辞儀をした。
「初めまして樢さん。老伍路 夢値といいます」
「え、初めましてだよね?なんで名前知ってるの?」
「元よりサンサーヴの保管に樢さんを使用したのはぼく達ですから」
「へ?どんだけ設定共有してんの?最近の遊戯王こんな感じ?」
樢は「遊戯王ごっこ」と一笑に付したいところだが、樢の名前を夢値が知っていることがどうも気味が悪かった。
「積もる話はありますが、まずは目の前のハンターを退けましょう。樢さんは少し離れていて下さい。あ、椅子がありますよ。ふわふわでした」
「帰っていい?」
「それは許さんぞォオィ!」
「えー」
「……樢さん、」
不満気な樢に、夢値はニッコリと微笑みかけた。
「樢さんは遊戯王初心者みたいなので、実際の対戦を見て勉強して下さい」
夢値はそう言うとルベーサと対峙した。
「ベンキョーになるまでもなくぅ、ギタギタにされなきゃいいけどなぁ!」
「そうなったら大変ですね」
2人はシャッフルしたデッキを相手に渡し、相手のデッキを軽くシャッフル(厳密にはカット)して返した。
「いくぜぇぇ!!」
ルベーサが空中にデッキを叩きつける。何故かドンと
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