第十一話 共闘
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れた南門を守るのは我々15人のみ、ここを手薄に見せて敵を誘い込み奥の二次防衛線を決戦場にするつもりだろうよ。あの”素人姫さん”は」
「まぁそんなところでしょうな。しかし・・・」
「ああ、恐らく姫さんの思惑は外れる。彼らの装備からして先の戦いで流れた敗残兵の集まりだ。おれ達の強さはよく知っているはず。あえて守りの強い東西どちらかを攻撃するだろう」
ペルシャールは一旦言葉を止めた。
「ふふ、その時、姫さんはどう対応するかな?二次防衛線の部隊を回すか、南門の俺たちに助けを斯うか、久しぶりに楽しい戦いになりそうだね」
ペルシャールは不気味に笑った。
「閣下もそういう演技が好きですなぁ。まぁ私も久しぶりに戦えてうれしいですが」
シェーンコップもつられて笑った。それを第三偵察隊の隊員達は少し引きながら聞いていた。
「一応ここの指揮官はあの姫さんだ。大人しく命令に従っていよう。もし伯爵邸に敵が流れたとしても、指揮官から命令なしに勝手に動くことはできないからな」
ペルシャールはピニャに一つ貸しを作ろうと考えていた。
伯爵邸に盗賊が来るその直前に駆け付け、あたかも今助けに来たという風に見せてピニャに恩を着せようというのである。
「ああそうだ、篝火はいらないといっておいてくれ」
「了解」
ペルシャールは思い出したように桑原に言った。命令された桑原はいつもと違って少し顔が強張っていた。
「隊長、これ、暗視装置、です」
栗林がいつもと違って少し恐れるように声を震わせながらペルシャールに暗視装置を渡した。
「おお、ありがとう」
ペルシャールは笑顔で答えたが、栗林がそれを見てさらに下がってしまったため、ペルシャールは頭の上に?を浮かべるのだった。
「古田っ、突撃破砕線は城壁に沿うような形にしろ」
シェーンコップは次々と指示を出していく。
「ねぇミースト、どうして敵のはずの帝国の姫様を助けるの?」
城壁に寄りかかりながらロウリィが問うた。
「町の人を守るためさ」
ペルシャールは暗視装置をつけるのに悪戦苦闘していた。
「本当に言ってるの?
「そういうことになっているはずだが・・?」
ロウリィはすぐにそれが嘘だと気付いた。
「兜貸して、持ってあげる」
暗視装置を付けられないペルシャールに見かねたのかロウリィが手を貸した。
「理由が気になるか?」
暗視装置をつけながら聞いた。
「エムロイは戦いの神、人を殺めることを否定しないわ。でもそれだけに動機は重要なの」
「偽りや欺きは魂を汚すことになるのよ」
その言葉はペルシャールの心にグサリと刺さった。ついさっき嘘をついたばかりであったからである。
「ここの住民を守るため、これは嘘じゃない。けどもう一つある」
「へぇ〜?」
「俺達と喧嘩するより仲良くした方が得だとあの姫さん
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