第十一話 共闘
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界出兵が行われた。各家も当主が兵を率いて参戦することが求められた。しかし、誰も戻ってこなかった」
中世だから当主とか指揮官は最前線で戦う時代なんだよな。今だったら考えられないことだ。
「結果イタリカの治安は急激に悪化、今や町を守ることも困難な状況となっている」
ピニャ皇女が言い終わると、その場に立ち止まった。どうやら到着したようだ。
「この向こうにいらっしゃるのが、イタリカの現当主フォルマル伯爵皇女ミュイ殿だ」
ピニャ皇女は大きな木の扉を開けた。
「・・へ、あれが・・?」
部屋に入るとそこには脚もつかないような椅子に座り、こちらを見つめてくる少女の姿があった。
「確か、皇女は今年で11才だったはず」
レレイが説明を加えてくれた。11才、小学生が町を治めてるってことか。流石は中世といったところだな・・・。
「いかに当主と言えど、ミュイに軍を率いろというのは酷な話だ。それ故、妾が代わりに指揮を執っていると言う訳だ」
「なるほど」
とは言っても伯爵皇女が率いようが帝国皇女が率いようが、どっちもあんまり大差ないように思えるのは言わないほうがいいだろう。多分また後ろに控えているピニャ皇女の腹心が”比例であろう!”とか言うに違いない。
その後我々は客間に移動して会談を始めた。
要約すると「民兵ばっかりで頼りないからお前たちも加勢しろ」「一度落とされた南門の守備任せるからよろ」ということだった。随分偉そうに言ってきたが、こんな状況では龍の鱗なんか売れないので仕方なく加勢することにした。先ほど国の指導者をドアで攻撃し、先制攻撃を行ったことを口実に戦争をしてもよかったのだが、そうなるとレレイ達が龍の鱗を売れなくなってしまうので、やむを得ない。
というか全部龍の鱗が売れなくなることが理由な気がするのだが気のせいか・・。
『今日中に戻れないとはどういうことですか?』
「あー、その戦闘に巻き込まれちゃうようで・・」
俺はハイドリヒに「友達の家に泊まるから」的なノリで今日中に帰還できない事を伝えた。
『しかし、参考人招致はどういたしますか・・?』
「そこは適当に現地住民との接触が大変で戻れないとでも言っといてくれ」
『・・・わかりました』
「あー、あともう一つ頼みたいことがあるんだけど・・・」
■
「見えるか?」
「ええ、斥候のようですな。後方に本体も見えます。数は、五〜六百ってところでしょうな」
「南門狙いだと思うか?」
「包囲するには兵力が少なすぎますからなぁ、崖のあるきたは除くとして残る三方のどこかに、戦力を集中させ一気に突破するつもりでしょう。しかし、それ以上に気になりますなぁ」
シェーンコップが双眼鏡から目を離した。ペルシャールも双眼鏡を石の上に置いた。
「そう、俺たちは囮だ。一度は突破さ
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