第六話 炎龍再び
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が分かるまでってらしい」
「ふぅ・・・、逃避行ってのは、想像以上に消耗するな・・・。」
ペルシャールは何度目かわからないため息を吐いた。
第三偵察隊が支援している間、いくつもの馬車が荷物の積みすぎで車軸が折れたり沼にはまったりして落伍していた。その馬車に乗っていた村人は、他の馬車に乗せてももらっていたが、子供数人が兵員輸送車に乗っていた。定員的にはいまだ余裕があったが、これ以上の落伍は防ぎたいと思うペルシャールであった。
車両の増援を頼みたいところであったが、ハイドリヒがフロントライン超えてるから無理ですと拒否したため、現有戦力でどうにかするしかない状況であった。
「前方に・・・カラス?」
「カラスの群れか?」
ペルシャールは双眼鏡を手に持ってカラスの群れを見ていると、その中央にいきなりハルバートが映し出された。
驚いて双眼鏡から目を離すが、改めて双眼鏡に目を当てると、そこにはカラスの群れに囲まれ、路頭に座り込んでいる少女の姿があった。
「ゴスロリ少女!?」
「まじすか!?」
ペルシャールの言葉に即反応した倉田はすぐさま双眼鏡を手にした。その直後少女が立ち上がり、ペルシャールたちの乗る車両に近づいてきた。
「あなた達、何処からいらして〜、何方に行かれるのかしらぁ〜?」
「・・・なんて言った?」
「さぁ・・・。」
「見た目は子供のようですね。」
3人がそれぞれ言うと、兵員輸送車に乗っていた子供たちが後部扉を開けて少女に向かって走って行った。
「神官様だ!!」
「神官様ぁ!」
「神官、様・・?」
子供たちの口から聞こえる”神官”という言葉にペルシャールは考え込んだ。
日本で言う坊さん的な存在かななどと思案していると、子供たちに続いて大人たちが近づき、跪いて祈りをささげ始めた。
「祈りを捧げているみたいですね?」
「あの変な服装は信仰的な意味合いがあるってことか・・・?」
そんな推測をしていると少女が車両に歩み寄ってきた。
「この変な人達は?」
「助けてくれたんだ、いい人達だよ。」
「嫌々連れて行かれてる訳じゃないのね?」
「うん!!」
「これ、どうやって動いてるのかしらぁ?」
「分かんない。けど乗り心地は荷車よりずっといいよ!!」
「へぇ……乗り心地がいいのぉ?」
子供たちが笑顔でそう言うと、少女はペルシャールを見て唇を小さくひと舐めし、口元に指を当てて思いついたような表情をした。
「私も感じてみたいわぁ。これの乗り心地。」
「えっと・・・さ、ザワールハゥウグルゥ?」
ペルシャールが現地語であいさつすると、少女は後部扉から車両に乗り込み、なぜかエルフの少女の上にハルバートを置くといういじめに近いことをしてペルシャールの膝に乗った。
「んふふふ〜♪」
「ち、ちょっとまてっ
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