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大統領 彼の地にて 斯く戦えり
第五話 人命救助 村規模の引っ越し
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ーンって・・・。なんでしょう?」
ペルシャールがベルトに入れているライトで井戸を照らした。
「人だ・・・人がいるぞっ!!」


「人命救助!いそげっ!」
「「「了解!!」」」
「いや、人、というより・・・エルフ、か・・?」
ペルシャールは後ろに抱えた少女を見てつぶやいた。

「とにかく、濡れた服を脱がせてっ。」
「ごめん、切るよ。」
兵員輸送車の中では、黒川と栗林が救助したエルフの少女の治療を行っていた。
その間、外では倉田が一人興奮して叫んでいたが、ペルシャールは半長靴に入った水を出してため息を吐いていた。

「隊長。」
10数分後、治療を終えた黒川がペルシャールに近づいた。
「ん?どう、エルフの方は。」
「体温が回復してきています。命の危険は脱しました。」
「そりゃあよかった。」
ペルシャールはふたたびほっと溜息を吐いた。
「それで、これからどうしましょう?」
「集落は全滅しちゃってるし、ほっとくわけにもいかんしなぁ・・・。まぁ保護ということで連れ帰ろう。」
「隊長ならばそうおっしゃると思っていました。」
「俺、人道的でしょ?」
「さぁどうでしょうか?」
ペルシャールが得意げに言うと、黒川は笑顔のまま否定した。
「へ?」
「隊長が特殊な趣味をお持ちだとか、あの子がエルフだからとか、色々と理由を申し上げては失礼になるかと。」
黒川が終始笑顔のままであったことも相まってペルシャールは苦笑いするしかなかった。


・・・・・・・・・・・・・・・


第三偵察隊は帰還途中もう一度コダ村を訪れていた。
「なんとっ、集落が全滅したと・・・。」
「大きな 鳥 いた。森 村 焼けた。」
ペルシャールは片言でしゃべりながら、カメラで撮ったドラゴンの写真を見せた。
「え、炎龍・・・。」
「そ、そんな。」
「まさか・・・。」
村長の言葉に周囲の村人が動揺した。
「炎龍 火 出す。人 たくさん 焼けた。そして 女の子 一人 助けた。」
「この娘一人か、いたわしいことだ。」
村長は帽子を外して胸に当てた。
「この娘村で保護を。」
ペルシャールが聞くと村長は頭を横に振った。
「エルフの保護はできん。それに我らもこの村から逃げ出さねばならん。」
「村 捨てる?」
「そうだ。エルフや人の味を覚えた炎龍はまた村や町を襲ってくる。」
ペルシャールと村長が会話している間にもコダ村の村人たちは逃げ出す準備を整えていた。
コダ村のはずれでは、ガトー老師とその弟子レレイ・ラ・レレーナが馬車に荷物を運んでいた。その途中ガトーがこけて子供の用に喚いたりレレイにこれ以上詰むのは無理と言われて駄々を捏ねていたが、結局載せれる分だけ載せまくって最後は魔法で馬車を浮かせて何とか出発した。


「・・・
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