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大統領 彼の地にて 斯く戦えり
第四話 壁外調査
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大統領の意外な好みに敬語を忘れて驚きの声を上げた。ちなみにペルシャールがこんな好みなのはヲタクである亡き父親の遺伝子のせいが大きい。いろんなアニメのDVDを買ってきては、地下にある地下倉庫にため込んでいたのであった。それをペルシャールが暇なときに見ているのである。

「それにしても、なんで持ち込んだ装備はそろって旧式なんですかね。車両は、一応現用ですけど。」
「あーそれね、予算の都合だよ。財政委員長のホルスが戦争終わった途端軍事予算を減らしまくったせいで今回の派遣も結構ギリギリだったんだ。挙句の果てに、ゲートを閉じろとか市民団体が言ってきて・・・。」
「た、大変だったんですね。」
「まぁ最悪こっちに投棄して撤退ということもあるから、最新式を持ち込むのはは危険だしね。」
「捨てていっていい武器、ということですか。」
「そゆこと。」

「倉田、この先の小さな川を右折して川沿いに進め。しばらく行ったら、コダ村の村長が言ってた森が見えるはずだ。」
「了解。」
話しがひと段落したところで、桑原が地図を見ながら言った。

「おっ、言った通りの川だ。頼りにしてるよぉ、おやっさん。」
コダ村の村長が言っていたことは正しかったようで、川をまがって川沿いに進んでいった。
「たよられついでに意見具申します。ミースト隊長、森の手前でいったん野営しましょう。」
「ああ、賛成だ。」
ペルシャールがそう言うと、桑原は通信機をONにして後ろの2両に指示を出した。

「一気に乗り込まないんすか?」
倉田が問いかけた。
「今入ったら、何がいるかわからないまま森の中で夜になっちゃうでしょ?それに、村があるとすればそこの住民を驚かせることにもなるし。」
ペルシャールは一度言葉を切った。
「ロンディバルト軍は民主主義国家の国民に愛される軍隊だよ?この任務は、友好的な関係を築くのが目的だしね。」
そういうと、ペルシャールはポケットから手帳を取り出した。これは捕虜から得たこちらの世界の言語が書かれた本であり、派遣部隊員全員に配られている。
「えーと、ザバールハウゥグルゥ。」
「棒読みっすね。駅前留学に通ったほうg・・・。」
ペルシャールの感情が入っていない言葉に、倉田が突っ込んだ。ペルシャールは”うっせ”と言って手帳を倉田に投げつけた。
「いてっ、って、あれ・・・。」
「たく話を逸らすn、ん?」
倉田とペルシャールが見たのは森から上がる黒煙であった。

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