第三話 諸王国軍敗退ス
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諸王国軍の先鋒であったアルグナ、モゥドワン、リィグゥの3か国軍が壊滅した後、諸王国軍の約7割を動員した第二次攻撃が行われた。が、ロンディバルト軍のアウトレンジ攻撃によって、ただいたずらに兵力を消耗するだけに終わった。
第二次攻撃後、諸王国軍の会議テントには、当初21人いた将軍はすでに8人となっていた。
「始めは16万もいた諸王国軍は、すでにその半数が存在せぬっ。何故このような事態にっ・・・。」
「帝国軍はどこで何をしているんだっ!」
「いや、帝国軍とて敵う相手ではない。ここはもう退くしかないのではっ!?」
結集当初は皆争うように先鋒を取り合っていたが、すでに全員圧倒的な武力の前に戦意を喪失し、撤退案すら出つつあった。
「このまま逃げて帰るわけにはいかん。・・・せめて、一矢報いてやらねば。」
終始腕を組み沈黙を保っていたデュランが、亡き戦友リィグゥの兜を見つめながら初めて口を開いた。
「しかし、デュラン殿っ。我々の力ではっ・・・。」
数秒思案を巡らせると、デュランは思いついたように言った。
「夜襲ならば、あるいは・・・。」
「今夜は新月、この闇夜に乗じて丘の裏手より仕掛ければ気づかれることなく、敵陣に迫れるはず・・・。」
第二次攻撃が行われたその夜、諸王国軍はもてるすべての兵力を動員して最後の攻撃を仕掛けようとしていた。
通常の戦いであれば、デュランの策は成功していただろう。しかし、相手が悪すぎた。
「な、なんだ!?」
「火矢かっ!?」
物音立てずに進軍していた諸王国軍の上空に、照明弾が打ち出された。
「な、この明るさはっ!」
突然の出来事に、諸王国軍は足を止め、隊列を乱した。
「い、いかん!全軍突撃っ!馬は駆けよ!人は走れぇ!走れ!走れ走れ!!」
デュランはすぐに自ら突撃しつつ、全軍に突撃命令を下したが、突然のことに混乱していた諸王国軍は足並みそろわずバラバラに突撃していった。
デュランが大声で命令しながら敵陣めがけて突進していると、丘から砲弾が放たれ、後ろにいた味方の悲鳴が聞こえた。もはや諸王国軍は指揮統制を失いばらばらであった。
「なっ!」
敵陣に迫ったデュランであったが、ロンディバルト軍が設置していた有刺鉄線に馬が引っ掛かり、デュラン自身が放り投げられてしまった。
「デュラン殿っ、今お助けします!」
「盾を前へっ。」
追いかけてきた兵士たちがデュランを救出するために有刺鉄線を越えた。
「逃げろ!みんな逃げるんだっ!」
助け起こされたデュランは、すぐに兵士たちに逃げるように言うが、時すでに遅し、丘から機関銃と砲弾の雨が降り注いだ。
PAPAPAPAPA!!
BAMBAMBAM!!
「うわぁあああ!!」
盾を構え横陣を敷いていたが、機関銃の前には無力であった。盾
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