第二話 大統領特地へ
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「我々は先の侵略行為に対して、断固として対抗するもものであります。幸い未だ軍縮の行われていないわが軍は、二度の世界大戦を経験した古強者たちです。私はここに宣言します!門の向こうへ報復侵攻をし、市民を虐殺した異世界の者どもに、正義の鉄槌を下すことをっ!」
大統領ペルシャール・ミーストによるこの演説の1か月後、特地派遣軍の第一陣、1個機甲師団・1個機械化歩兵師団が、門の前に集結していた。
この頃、門の半径100メートルは緊急時に備えて民間人の立ち入りを禁止し、軍の直轄地となっていた。ビルなどは改装され、特地派遣軍のロンディバルト側中継地が設置された。
「諸君らは、先に言ったように二度の世界大戦の初期から戦場で戦ったロンディバルト軍屈指の兵士である。諸君らを派遣部隊として送り込むことになるが、この任務は誠に重大なことである。」
ペルシャールは一度言葉を切った。
「派遣部隊の指揮は・・・・。」
「私が直接執ることとなった。副司令官は武装親衛隊長官ラインハルト・ハイドリヒ大将が務める。」
その言葉に兵士たちは特に騒ぎもしなかった。ペルシャールは幾度も戦場に立って指揮を執っていたからである。ある意味慣れてしまったのであろう。
「2週間前から斥候部隊が何度も門の向こうに行っているが、特地では何が起こるかわからない。従って、門を超えた瞬間戦闘が始まる可能性もある。諸君、細心の注意を払って任務に当たれっ!では、間もなく出発だ。全員乗車せよっ!」
ペルシャールの演説が終わると、兵士たちはそれぞれ割り当てられた車両に乗り込み、エンジンをかけた。
門を囲っているドームのゲートが徐々に開いていき、機甲師団を先頭に突入していった。
「現地に到着した途端戦闘になる可能性もあるんだよな・・・。」
「そうなれば、現有戦力で対処するしかありません。」
指揮車ではペルシャールとハイドリヒが先頭車両から転送された映像を見ながら話していた。
「前方に多数の火を確認!敵陣と思われます!つかみで5万!」
先頭車両がゲートから出ると、10キロほどのところに敵陣を発見した。
「全車迎撃態勢を取れ!」
ゲートを中心に各部隊が展開し、射撃準備を整えていく。
「各部隊整いました!」
「射撃開始!」
戦車部隊と自走砲部隊による砲弾の雨が、ゲート周辺に展開中の軍隊を襲った。
いきなりの攻撃に驚いた彼らは、逃げまどい、必死にゲートを目指して突撃していった。
逃げまどっていた者は砲弾の雨で消し炭になり、突撃していった者は機械化歩兵部隊の機銃や小銃によってハチの巣にされた。
「奴らにも魔道士がいるのかっ!?」
「に、にげろっ、ぎゃあああ!!」
異世界の軍隊はロンディバルト軍の攻撃に恐れをなし、統制がなくなって逃げ出し始めた。
こうな
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