第26話神速のバーサーカー
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ライリュウの妹、ミラに否定される。だが、今の彼女の兄はーーー
「速すぎて今どこにいるのか見えない・・・」
周りの人間が行動を視認出来ないレベルのスピードを手に入れていた。
高速、論外。光速、まだ遠い。音速、限りなく近いがまだ違う。一番相応しい言葉に例えるとしたらーーー神速。神にのみ見える速度、そう言っても過言ではないだろう。
(何だ?)
疑問を感じているのはアスナ達以外にも存在した。それはライリュウの友よりも、妹よりも、ましてや神よりも、ライリュウに最も近い存在。そうーーー
(どうなってんだ?オレ・・・)
本人である。今現在周囲の人間が彼の姿を視認出来ないように、彼も自分に起きている現象が信じられずにいる。
(グリームアイズが・・・)
今周りの人間が視ている世界はあまりにも速すぎるように、今彼の視ている世界はーーー
(グリームアイズの動きが止まって見える・・・!!)
あまりにも遅すぎるのだから。ライリュウの神速の領域に引きずり込まれた敵は、逃げる事は許されないだろう。つい先ほど回復したHPは復活早々に削り取られ、あと一発、あと一発拳を受けるだけで尽きてしまうほど弱々しくなっていた。
(これで終わりだ・・・!!)
ここを逃したら再び復活する。これ以上暴れさせる訳にはいかない。ライリュウの武脚に光が灯る。その光は敵を滅ぼす裁きの力。止めの絶大な一撃ーーー
「《竜王拳・奥義》!《雷土の逆鱗》!!」
自然現象で強い部類の雷。その武脚による踵落としの威力はまさしくーーー逆鱗に触れられ、怒り狂った龍の落とした雷土。
武脚に灯った光が消えた瞬間、蒼眼の悪魔ーーー《ザ・グリームアイズ》の身体は大きくブレ、光の欠片となって完全にこの世界から消滅した。
「すごい・・・すごいよお兄ちゃん!」
「リュウの字!何なんだよありゃあ!?あんなの見たことねぇぞ!?」
「キリトくんの《二刀流》がユニークスキルだから・・・もしかしてライリュウもユニークスキル持ちなの!?」
「みんなその辺にしといてやれよ・・・。ライリュウ、ありがとな。助けてくれて・・・」
復活した《ザ・グリームアイズ》を何もさせずに倒した兄に興奮しながら喜び駆け寄るミラに、驚きの声を掛けるクライン、キリトと同じユニークスキルの保有者なのではと問うアスナ。キリトは興奮する三人を落ち着かせ、命を救われた事に礼を言う。それに対してライリュウはーーー
「・・・」
何も言わず、無言でその場に立っている。
「ちょっと、お兄ちゃん・・・?」
いつまでも言葉を発しようとしない兄にミラは違和感を覚え、歩み寄りーーー自分の右肩に倒れかかったライリュウを支える。
「お兄ちゃん
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