第39話
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ら敵影あり!!」
「なんやて!?」
そんな馬鹿な――と目線を向けると、そこに居たのは張遼も見慣れた軍勢。
「もう迂回路を抜けて来たって言うんかいな!」
音々音が華雄軍に狙いを定めた三つ目の理由がこれだ。
二日目こそ接戦を繰り広げた両軍だが、孫策軍は敵将に固執していない。
あくまで迂回路を抜いたと言う事実が欲しいだけである。
軍議の中でその難易度を皆に知らしめた、後はどんな形であれ実現出来れば評価される。
故に、孫策達が二日目以降勝負を仕掛けることは無かった。
張遼が手強いと見るや、守りを重視して機を待ったのだ。
あの広宗の地で袁紹軍と曹操軍の精強さは知っている。この二軍の力を持ってすれば、水関と虎牢関の陥落も時間の問題だろう。
そうなれば張遼は迂回路を離れなければならない。
そして孫策軍の軍師達の予想通り、張遼が迂回路から姿を消すとかの軍は一変。
積極的に攻勢に出たのだ。初めは何とか迎撃していた張遼軍の副将だが、孫策軍の戦術と精強さの前に敗北。
指揮官を失いつつも迎撃に奔走する残党兵の抵抗虚しく、孫策軍は迂回路を突破した。
「張遼様、眼前の騎馬隊が華雄様の方へ!」
「厳しいな、賈駆っちに早馬を頼むわ」
「で、では……」
「ああ、詰みや」
賈駆の迎撃策が成らない時点で大局は決していた、止めを刺したのは側面の孫策軍だ。
彼女達の参戦により華雄軍と連携を取れない、この二軍を相手にしている内に後続の連合軍がやって来るだろう。
しかし、敗北が決定した瞬間でも張遼の闘志は衰えない。
自分達には――
「皆聞けえぇッッッ!」
――まだ出来る事がある。
「ウチ等にはもう勝ち目は無い、けど戦はまだ終わらん!」
『董卓様!』
「せや! ウチ等の大将が洛陽に居る、無実の娘を連合に渡す道理など無い! せやろ!!」
『応!』
「今は一刻を――いや、数秒を争う事態や! 此処で一秒でも時を稼ぐ事は千金に値する。
最後の一兵まで肉壁と化してでも、敵を足止めするでぇッッッ!!」
『ウオオオオォォォォッッッッッ!!!』
「張遼様が側面の孫策軍と交戦を開始しました!」
「敵騎馬隊、我が軍前列の重兵をものともしません!」
「馬鹿な、千騎程度に……」
張遼軍が檄にあてられ声を張り上げていた頃、華雄軍に恋の騎馬隊が切り込んだ。
前列に重装備の盾兵を並ばせ、敵の勢いを止めようとした華雄軍。
彼らの判断に間違いは無い、騎馬の突進力も障害物を前に勢いを失うのが道理だ。
正しそれは――普通の騎馬隊に対してであった。
生憎、恋の率いる重騎隊は彼女を含め常軌を逸してい
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