RSリベリオン・セイヴァ―外伝SHADOW 五話「再会と遭難」
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ゃあ……いこう?」
溜息交じりに、大剛は彼女を連れて野宿できそうな場所を探した。
鈍龍に取り付けられているライト機能を使って辺りを照らし、暗闇の山中を歩いた。すると、しばらく歩いたところで水の流れる音がした。そこは、森に覆われた小川であった。
とりあえず、この場所で野宿することとなり、二人はできるだけ小さな砂利だけの寝心地のマシな場所へ座り込んだ。しかし、詩織だけは大剛の隣で寝るのをさけ、彼から数メートル離れた場所へ横たわった。これもこれで大剛は再びショックを受けた。
――俺、そんなに嫌われてるんだ……
「……?」
翌朝、詩織は目を覚ますと、横たわる自分の体にジャケットがかけられていた。
「あれ、これって……」
それは紛れもなく大剛のジャケットであった。
「!?」
すると、詩織はそれを指先でつかむと、どしどしと大股で歩きながら、彼女よりも先に起きて背伸びをしている大剛の元へ歩くと、それを乱暴に彼に投げつけた。
「な、なんだよ?」
「余計なことしないで! アタシは大丈夫だから!?」
「何だよ! 風邪ひくと思ってやっただけじゃないか!?」
「そういうシチュエーションはイケメンじゃなきゃダメなの!」
「はぁ?」
いきなり何を言いっているのかと、大剛は首を傾げた。
「こういう優しいことをしてくれるのは、カッコよくて背の高いスラッとした男がすることよ? アンタみたいな熊みたいに大柄で太った男が女性にして良い事じゃないの!!」
「男とか女だとか何言ってんだ! 今の状況はそんなのどうだっていいだろ!?」
「うわ……最低! どうだっていいって、どういうことよ!? アタシは『女』で、アンタは『男』なのよ!?」
「男だろうが、女だろうがそういうのは関係ないだろ? 今はお互い協力して山から出なければならないだろ!?」
こうして互いの口論は続いたが、それも長くは続かず、詩織が「やってらんない!」と言って切り上げた。
その後、二人は気まずい雰囲気の中再びこの小川を伝って歩き出した。川を伝っていけば、道路か道に出られるかもしれない。
そんな中、先ほどから大剛は何度もくしゃみをし続けている。一回してはもう数分たって再びくしゃみをが出る。
「ちょっと、あんまり飛ばさないでよ?」
「あ、ああ……」
何度もくしゃみをする大剛に、詩織は苛立っていた。
しかし、大剛の様態はくしゃみだけでは済まなかった。蝉の鳴き声が甲高く聞こえ、真夏の暑い日差しが容赦なく二人を照らす中、次第に彼の歩き方はまっすぐ歩けずに斜めへ傾いたり、ふら付きながら歩いたりと普通ではない様子が目立ってくる。そして、大剛は大量の汗を額に浮かべて近くの大きな岩にもたれて、呼吸を荒げた。
「ちょっと、大丈夫なの!?」
「ああ……でも、少し休憩しようぜ?」
しばらくの間、大剛
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