RSリベリオン・セイヴァ―外伝SHADOW 五話「再会と遭難」
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笑いを浮かべた。
その後、二人は山の中を歩き続けたが、しかし何時までたっても村の明かりは見えてこなかった。
「あれ? おかしいな……」
「ちょっと! 何してんのよ?」
痺れを切らして詩織は後ろから怒った。
「ええっと……」
「もしかして……アンタも、迷ったの?」
恐る恐る尋ねる彼女に、大剛は苦笑いして頷いた。
「ご、ごめん……」
「んもう! アンタ男でしょ!? アタシは女なのよ!? だったら何とかしなさいよ!?」
「そんなこと言われても……」
「図体だけはデカいのに、頭の中はからっぽなの?」
そんな彼女の出過ぎた言葉にさすがの大剛も腹を立てた。
「そんな言い方ないだろ? こっちだって、それなりの考え方があるんだからさ!」
というと、大剛は掌から光の陣を展開させると、そこから巨大な槌「鈍龍」を召喚させた。
「え!? アンタ、それどうやって!?」
「いいから見てて?」
目を丸くする詩織を背に大剛はゆっくりと浮上して上空の夜空へ浮かんだ。
「うそ……!?」
夢でも見ているのかと、詩織は目をこすったが、やはり現実だ。
「う〜む、暗いからよくわからないな?」
と、しばらくして大剛は詩織のいる地面へ降りてきた。
「くらくてわからないや? こうなれば……どこかで野宿する?」
「……ねぇ? アンタさ、飛べたの?」
詩織が問うと、それに大剛は何食わぬ顔で答える。
「ああ、一様ね?」
「じゃあ……私を連れて村まで一っ飛びできるんじゃない?」
「……あ!」
何故それに気付かなかったのか、大剛は玄弖顔負けの抜けっぷりにぺチンと額を叩いた。
「その発想はなかったな?」
――こいつ、バカなの?
そう思う詩織に、大剛はさらに彼女へ近づいた。
「じゃあ、はい?」
「え?」
「いや、だから俺が君を乗せて飛べばいいんだろ?」
「え、うそ……」
しかし、それに関して詩織は改めて考え直し、そして拒みだした。
「ちょっと! そんなこと言って、私の体に……」
――冗談じゃないわ! こんなデブにお姫様抱っこされるなんてアタシは絶対に嫌よ!?
「何言ってんのさ? だったら俺の背中に乗ればいいだろ?」
「え〜!? それも……」
「じゃあ、どうしたいのさ?」
「……」
しかし、詩織は黙ったままだった。とんだわがまま娘を前にさすがの大剛もお手上げである。
「あのね? このままだと、一夜を明かすために野宿することになるんだよ? それでもいいの?」
「……わかったわよ?」
すると、ようやくわかってくれたかと、ふたたび大剛は彼女に背を向けて近づこうとしたが、
「野宿するわよ!」
「え……?」
結局、大剛に掴まって空を飛ぶよりかは野宿を選んだというのだ。やや、大剛は自分が嫌われていることにショックを受けてしまった。
「じ
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