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RSリベリオン・セイヴァ―
RSリベリオン・セイヴァ―外伝SHADOW 五話「再会と遭難」
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奈がトテトテと小走りに玄関まで行くと、そこには二人の青年が訪ねてきた。
「どうも! 今日からこの村に引っ越してきた者です……」
「あ、どうも……」
見慣れない服装。しかし、見覚えがないわけではない。以前にも自分の幼馴染が来ていた服装と被るのだ。比奈は、それなりに珍しい目では見なかった。
「これ、タオルですけど……どうぞ?」
「あ、わざわざありがとうございます!」
比奈は笑顔で彼らからタオルを受け取った。
「それにしても、結構立派な神社ですね?」
二人のうち大柄な青年、大剛が本殿を見てそう言うと、比奈はつかさず手短な説明に入る。
「ええ、この篠ノ之神社は……」
「え! 篠ノ之!?」
と、大剛の隣にいる青年こと玄弖は驚いたかのようにその名を口にした。
「ど、どうしましたか?」
「あ、あの……篠ノ之箒という方をご存知ですか?」
「ああ、箒ちゃんですね? でしたら。先にご奉仕に戻りましたよ?」
「ッ……!!」
すると、つかさず玄弖は箒を探しに境内を走り出した。
「あ、玄弖!?」
大剛が呼ぶも今の彼には、誰の声も届かない状態だった。
「箒ッー!?」
一直線にその名だけを叫んで走り回る彼は、砂利道を飛び散らせなががら本殿の裏側までは走り回ると、前方にある巫女の後姿を捉えた。
黒いポニーテールに清らかな風格、あれはどう見ても自分が探していた篠ノ之箒であった。
「箒!!」
「っ……!?」
そんな、血相を書いたかのように駆け寄ってくる玄弖に、驚いた様子で振り向いた彼女は、学園で出会ったあと青年の名を呟いた。
「玄弖……?」
だが、あまりにも慌てすぎた玄弖は、つい足元を躓かせてしまい、勢いよく彼女の元へ襲い掛かるかのようにダイブしてしまう。
「うわっ!?」
「!?」
凄い音と共に、玄弖は箒に覆いかぶさる形で倒れ込み、箒は玄弖に押し倒されてしまう。だが、それ以前に……
――こ、この弾力は!?
再び自分の顔面を温盛のあるマシュマロが包み込んでいた!
「玄弖ぇ……!」
ゴゴゴ……と、箒は再び拳を握りしめた。
――あ、俺またヤッちった……
彼がそれに気付いたころは既に遅く、再び甲高い音と共に箒の手形が彼の頬へ赤く刻まれることとなった……
――痛いけど、幸せだ〜……
鼻血を散らして、玄弖は倒れた。

「まったく! お前はもう少し落ち着きというものを持たないのか?」
縁側に座る彼女は、薬箱を膝に乗せて隣に座る玄弖の頬を手当てしていた。
「すまん、つい……」
ティッシュで鼻先をつまんでいる玄弖は、先ほどから箒のオッパイ妄想が後を絶たずに浮かび上がってきた。考えれば考えるほど、鼻血は止まりそうにない……
「……で、私に何か用か?」
「あ、そうそう……」
玄弖は鼻をつまみながらも、彼女の方へ顔を向けた。

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