RSリベリオン・セイヴァ―外伝SHADOW 五話「再会と遭難」
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この明楽詩織は、先月からこの集落に引っ越してきた少女で、今月に入ってきた新米のバイト巫女でもある。今となっては比奈に続くムードメーカー的な存在だが、ドジな性格でよく箒に怒られている。昨日なんかは箒の竹刀が彼女の頭上に振り下ろされたのは言うまでもない。
「んもう〜……また箒ちゃんのお説教が始まった……」
「バイトとはいえ、お主は神に御奉仕をする神聖な神職の一員なのだぞ? もう少し風格を持たねばならん」
「だってさぁ……」
「だってではない! それと比奈!?」
と、箒は怖い顔で比奈へ振り向いた。
「ひゃ、はい!」
下を噛んでビビる比奈に、箒はこう言う。
「お主も、これ以上詩織の甘やかすでない!」
「はぁい……」
何やら比奈までとばっちりを受けてしまう。
その後、箒は先に奉仕の準備に戻った。休憩室では、箒に対して愚痴っている詩織と比奈がいた。
「もう……あそこまで怒ることないのに?」
「箒ちゃんは、この神社の娘さんだから誰よりも一番巫女らしくしなくちゃいけないって思って、ああやって厳しくしているんだよ? でも……昔は結構箒ちゃんに結構虐められたな〜? 最近は丸くなったみたいだけど」
「ねぇ? 比奈ちゃんはさ? 箒ちゃんと幼馴染って言うじゃん?」
何気に詩織が尋ねた。
「うん、小さいころからの付き合いだよ?」
「箒ちゃんって、性格を覗けば結構可愛いよね?」
「そうだねぇ……私が言うのもなんだけど、もうちょっと優しくしてくれれば、もっと可愛くなるんだけどな……?」
苦笑いを浮かべる比奈に詩織もまた苦笑いで返した。やはり、今でも箒はややキツイ性格のようだ。
「彼氏、居るのかな……?」
と、詩織。
「さぁ……?」
「でさ! 比奈ちゃんは居るの? カ・レ・シ?」
「ふぇ……!?」
途端に赤くなる比奈は慌てて誤魔化した。
「そ、そんな……私なんて!」
「ふぅん……比奈ちゃんも結構可愛いのに?」
「そういう比奈ちゃんは?」
「私か……?」
こう見えて、詩織には男友達すら一人もいない少女であった。彼女にも、やや女尊男卑が少しずつ定着しつつあるのだ。だから、詩織がどんなに話し上手でもそんな彼女に近づいてくる男性なんて一人もいない。彼女としては自分に悪気はないと思っている。
「居ないんだよね……そろそろ欲しいんだけど?」
「この辺にもけっこう若い男の人たちとかたくさん居るよ?」
「え〜? 田舎男子って、みんなダサいよ?」
「え、そうかな? 普通だよ?」
「だって、口調も田舎弁だし、牛を散歩させてるし、農業とかさ?」
「ははは……」
比奈は苦笑いした。
「すんませーん!」
そのとき、社務所の前で声が聞こえた。参拝客かと比奈は机から立ちあがった。
「あら? 参拝客の方かしら……はーい!」
比
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