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RSリベリオン・セイヴァ―
RSリベリオン・セイヴァ―外伝SHADOW 五話「再会と遭難」
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るように担いで、日陰の場所へと彼を寝かしつけた。
――死んじゃったりしてないよね?
彼女は、大剛の身を案じ、彼が目を覚ましてくれるまでジッと待ち続ける。
「……?」
大剛が倒れてから数時間が経ち、ようやく大剛はゆっくりと目を覚ました。
「うぅ……だいぶ良くなったな?」
まだ、ふら付きは残るものの、だいぶ顔色は良くなって生きている。
「明楽……怪我は?」
「アタシは大丈夫……それよりも」
詩織は、遠くで死んでいる熊の死体を見た。
「ああ……可哀相だが仕方がねぇ」
「うん、大剛がやってくれなかったら、今頃アタシがああなってただろうし」
「……あれが、『兵器』ってものでああなった末路さ?」
「……?」
大剛は、クマの死体をトラウマに持つ詩織にこう話した。
「ISだろうが何であろうが、兵器によって殺されたの奴の末路が、あれさ?」
「ISも……?」
「……俺、エリア14から来たんだよ?」
「!?」
詩織の顔が一瞬驚いた。
「そこでは、毎日が戦争さ? でも、戦う奴らは皆、『覚悟』のある目で武器を手に取っていた。今から人殺しをやるんだ。生半可な気持ちや遊び半分でやるようならまっさきに殺されるからね? 特に、兵器を扱う人間は俺よりもそうとうな覚悟を持たなきゃならないと思うよ?」
「で、でも……ISって、スポーツ種目なんだよね?」
唯一の救いとしてISの正式な使用理由を言う詩織だが、それも大剛によってはちっぽけな気休めにしかならなかった。
「じゃあ、どうして軍が使ってるの? 自衛隊にさえもISを使ってるんだよ? スポーツ種目なのにさ?」
「……!」
「それは、ISが兵器にもなるからっていう意味だよ。ISの武装は、戦車並みの重火器ばかりさ? それを、君みたいな年頃の女の子たちが玩具やアクセサリーような感覚でISに愛着を感じている。
怖いよね? 人を殺せる兵器をそんなふうに扱うなんてさ? 一歩間違えれば取り返しのつかない事になるのに……」
「……」
詩織は、そんな大剛の話を聞いて、返すこともできず、その正論をただ認めるしかなかった。そして、改めて兵器の恐ろしさを直に感じてしまった。ただ、それが幸いなことに人間ではなくて他の動物であったことが幾らかトラウマが酷くなかった。
大剛はそのあと、すっかり体は回復し、改めて山の中を詩織と共に歩き出した。
「……つかれたか?」
さきほどから、息を荒くする詩織。まさか、風が映ったんじゃないかと思ったが、そうではなくて体力的による疲労だった。
「大丈夫だよ……きゃっ!」
すると、彼女は足元を滑らせてこけてしまった。
「大丈夫か?」
「う、うん……痛っ!」
起き上がろうとする詩織だが、そんな彼女の足元に鈍い痛みが襲ってきた。転んだひょうしに挫いてしまったようだ。
「立てるか?
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