RSリベリオン・セイヴァ―外伝SHADOW 五話「再会と遭難」
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以上基地で暴れてもらいたくないからね? 仕方がないから君らにゆっくりデータを取らせてもらえる環境へ移ってもらったということさ?」
「でも、こういう田舎だったら逆に目立つんじゃないか?」
と、大剛。
「そうだけど、メガロポリスや他の地域では規制が厳しいからね? こういう場所しかないよ? それとも、また僕らのところへ行くかい? そこならこちらも気軽にデータが取れる」
「……」
確かに。またあの基地でモルモット扱いをされるよりはこっちの環境で連中にしたがうほうがいくらかマシかもしれない。酷かったら、個室に閉じ込められた生活を余儀なくされるだろう。
「わかった……とりあえず、ここでアンタらに従うよ?」
弾は大人しく従った。勿論ほかの二人もである。
「それを言ってくれて助かるよ? ささ、疲れただろうし早く家に入りなよ?」
ラルフの指示に従って、三人は今日から与えられる自分たちの住宅へ招かれる。
「へぇ〜……これはいい家だな?」
大剛は、家の中を見渡して驚く。それどころか、生「活していくうえでの電化製品や他の雑貨も忠実に揃えられていた。
「じゃあ……僕はこの辺で失礼するね? 今はゆっくりと休みなよ?」
それだけ言うと、ラルフは彼らの元から去った。一見、優しそうな好青年に見えると大剛や玄弖は感じていたが、弾だけは妙に違和感を持った。
そのあと、しばらくゆっくりした後、彼らは一様新入りという立場から近所にタオルを配って回ろうとした。とりあえず玄弖と大剛は近くの小さな雑貨屋へ行ってタオルを買い集め、弾は家に残って、今晩の夕飯を作っていた。
*
『先日、メガロポリスのエリア8のモノレール駅を襲ったISによるテロ事件ですが……』
大社、篠ノ之神社の社務所の休憩室では神職やバイトの巫女たちが寛ぎながら昼のニュースを見ていた。
『このテロ事件で、死傷は……』
死者は怪我人の数を超え、奇跡的に生きのこっていた何とも悲惨なテロであった。そして、
『その後、自衛隊からIS部隊が出動しましたが、現場到着後ISのテログループは全員死体となって発見されていたと言います。これにつきまして、現在警察が……』
「近頃、本当に物騒だね?」
そんな中で、呑気に煎餅を齧りながら休憩している一人の巫女が、隣で正座しながら行儀よくお茶を啜っている篠ノ之箒へ訪ねる。
彼女は、夏休みの間親戚の雪子の居る実家に手伝いに訪れていた。そして、近々開かれる夏祭りで舞を踊るために。
「皆! ケーキが焼けたよ?」
巫女装束の上にエプロンを着た比奈がケーキを運んできた。
「やった! 比奈ちゃんのケーキだって! 箒ちゃん?」
と、先ほどから煎餅を齧り続けている巫女が、箒にはしゃぎつく。
「詩織、お前はもう少し落ち着きというものを持たんのか?」
箒は呆れてため息をついた。
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