暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第2章:埋もれし過去の産物
閑話4「偽善VS想い」
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       =椿side=



「っ!!」

  クロノに短刀を突きつけていた手が拘束される。

「クロノ!」

「ユーノか!助かった!」

  ...なるほど。彼はこういうのが得意だったわね。

「葵!」

「了、解っ!!」

     ―――パキィイン!

  葵がレイピアで私を傷つけないように拘束魔法だけを破壊する。
  私が霊力で無理矢理解除してもいいけど、こっちの方がいいからね。

「...相手は魔導師。なら、葵。」

「分かってるよ。ユニゾン・イン!」

  私は葵とユニゾンする。
  ...相手は全員空を飛べるもの。こっちも飛べないとさすがに不利すぎるわ。

「...さて、二人には遠距離の人を相手してもらうわ。」

「は、はいっ!」

「過去とはいえ、強敵揃いですから、侮れませんね...!」

  私が相手をするのは、近接戦にも優れている人達。
  ヴォルケンリッターとかいう四人の内三人と、天使奏、織崎神夜がそういう人物だ。
  ...王牙帝とか言うのは戦況をかき乱すだろうから、有効活用させてもらいましょう。

「...行くわよ!」

「「はいっ!!」

  別に、勝つ必要はない。これは足止めなのだから。
  ...だけど、私は勝つつもりで戦う。
  今までそうしてきたし、これからもそうするつもりだから。
  ...それに、こんな偽善者に負けたくない。
  優輝の想いを理解してない奴に、負けたくない。

「先制攻撃よ。“弓技・火の矢雨”!」

  炎を纏った矢の雨を繰り出し、全員に回避か防御をさせる。
  そこへ、ヴィヴィオとアインハルトが突貫し、遠距離組へと攻める。

「...ガードスキル...“Hand sonic(ハンドソニック)”!」

「っ、来たわね。」

     ―――ギィイイン!

  繰り出された刺突をレイピアで逸らし、避ける。

「(彼女を相手にしている内に他の連中に突破される...なら。)」

     ―――ギギギィイン!!

  両手からそれぞれ生えるように存在する剣をレイピアで防ぎ、大きく弾く。
  そして、私は懐から大量の御札を取り出す。

「葵!少しだけ、足止めよろしく!」

『りょー...かいっ!!」

  ユニゾンが解け、葵が奏の相手をする。
  その間に私は御札に霊力を込めて行く。

「(...私はまじない師じゃないから、こういうのはあまり得意と言う訳ではないけど...。)」

  今組み立てている術式は、霊力の檻で敵を逃がさないようにする結界。
  まじない師ならば範囲が狭ければ数秒でできるのだけど、私だともう少しかかる。

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