エイプリルフールIF 【ワルブレ編】
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して来た。
現われるのは巨大な左腕と霊体で出来た鏡の盾。ヤタノカガミ。
炎弾が着弾するよりも速く蒼の気力がまーやをも包み込む。炎弾はヤタノカガミが弾き返す。いくら連射されても蒼にダメージは無い。
肋骨、左腕、右腕と現われると最後にシャレコウベが現われ、人の上半身だと分る。
グルルルゥ…グアアアアアアアァァアァッ
ケルベロスが吠えると蜜首の後ろからさらに二つ頭が現われ、新たに生えた二つの尻尾からも頭が現われた。
その体躯も倍以上になり、まさに異形。
「そんな…まだ頭が増えるなんて…」
とまーやが驚愕の声を上げる。
蒼はその肩を抱いて声を掛けた。
「大丈夫だよ…俺のスサノオは負けないさ」
「スサ…ノオ?」
まーやの見上げた先でドクロが肉付くように女の形を形成し、それを修験者のような鎧が包み込んだ。
現われる益荒男。
ケルベロスは頭が伸びて既に犬の様相ではなくなっていた。
その伸びた口からそれぞれ炎弾が発射される。その数都合6個。それも連射可能なようで雨アラレと発射されていた。
「きゃーっ」
まーやがその恐怖にたまらず絶叫。
しかしその程度で揺らぐヤタノカガミではなかった。
爆炎と噴煙が蔓延し、互いの視界を塞ぐ。
結果、ケルベロスは目標を付けられずに炎弾を吐くのを中止した。
噴煙が晴れるその刹那、一条の剣戟が走る。
「ふっ」
ズパンッ
それは快活な音を立ててケルベロスの首の一つを両断した。
返す刀でもう一頭。一瞬の内に二つの首を失った異端者は残りの首でようやく噴煙が晴れた為に目視できた大太刀を封じようと絡み付こうと躍動した。
しかし…
一閃、二閃と大立ちが翻るたびに屠殺される動物の如く首が撥ねられていった。
「これで最後だーーーーーっ!」
気合と共に振り下ろされた大太刀。草薙の剣はメタフィジカルの体を両断し、廃工場の床を粉砕。ちょっとしたクレーターが出来ていた。
「よしっ…て…あら?」
メタフィジカルが倒れたのを確認すると蒼の四肢から力が抜けていった。
「あ、蒼?どうしたのです?」
ズルっとつんのめるようにして倒れこむ蒼の下敷きになって一緒に倒れこんだまーや。
「蒼…蒼?」
「ぐー…」
「って、ねてるーっ!?起きるのですー、蒼ーっ」
揺すっても大声を出しても起きない蒼にまーやはあきらめて携帯電話を取り出した。
掛ける先はまーやの従姉妹であり亜鐘学園の校長である四門万理その人である。
「まーや、無事っ!?」
携帯電話が繋がると、開口一番で万理の口からまーやの安否確認の言葉が漏れた。
「まーやは大丈夫なのです
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