エイプリルフールIF 【ワルブレ編】
[8/32]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
い。
狼の首はまーやを確実に捉えている。
絶体絶命だった。
まーやは死を覚悟した。
が、一行にその死はやってこない。
「まったく…隠れていろと言っただろ…」
蒼が一足でクロックマスターを行使し過程を省略し狼に肉薄して崩拳を食らわせたのだ。
「くぅ…」
大分無茶をした為にその場で蒼は膝を付いた。
それをまーやは小さな体で抱きとめた。
「わりぃ…逃がしてやれそうにねぇわ」
蒼にしては気弱な発言だろう。しかし、それほど今の蒼は弱っていた。
「蒼、おまじないなのです」
そう言うとまーやはおもむろに顔を近づけ…
「はぁ?むぐっ…」
その小さい唇が蒼の唇を割り、その小さなしたが精一杯に伸ばされる。
「な…何を…」
と、何かを言おうとしていた蒼にまーやは自身のありったけの魔力を注ぎ込んだ。
まーやの魔力は蒼のリンカーコアをこじ開け、そして魔素が吸収され始める。
瞬間、周りの魔素が暴食の限りを尽くされたかのように薄くなった。
「ソル…」
蒼の呼び声。それに応えるようにまーやの持った宝石が光る。
『スタンバイレディ・セットアップ』
瞬間銀光がはじける。
発光は一瞬。しかし、その一瞬後には銀の竜鎧を着た蒼が立っていた。
「蒼?」
まーやが心配そうに訪ねた。
「全く無茶をする」
『おひさしぶりです、マスター』
「ああ、久しぶりだ」
『…ちょっと性格が違うようですね』
「ちょっと覚醒が遅すぎてね。混じった」
『なるほど…ですがあなたはあなた。わたしはいつでもあなたの杖です』
「うれしい事を言ってくれるな」
会話の途中でケルベロスが乱入、その巨体で踊りかかる。
『プロテクション』
ガンと突如現われた障壁に激突し、ダメージを負ったのはケルベロスだ。
「そんな…スペリングも詠唱も無く闇術を…?」
二度、三度と襲い掛かるケルベロスを阻むように二枚、三枚とプロテクションが遮る。
「さて、リンカーコアは動き出したけれど、まだまだ勘は取り戻せていない。ぶっつけ本番だけど、やれるか?」
と言うと蒼はオーラと魔力を合一する。
蒼の背後に巴と剣十字の紋章が浮かび上がると蒼の体から力強い力が溢れた。
「輝力合成…紋章を強化っ!」
ぐんと背後の紋章がその存在感を増した。
「プラーナとマーナの合成…そんな…まさか…」
と口を押さえるまーや。
再びの鋭爪での攻撃。
蒼はプロテクションを展開しなかった。
代わりにその攻撃を受け止めたのは巨大な肋骨。
攻撃が受け止められると距離を取り、今度は炎弾をケルベロスは撃ち出
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ