エイプリルフールIF 【ワルブレ編】
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で殲滅するのが常道で、一対一など先ずありえない。
普通の救世主ならおそらく一秒後には絶命しているだろう。
しかし、蒼は普通とは言いがたかった。
地面を蹴って振り上げられた豪爪。しかし、それを蒼は一歩下がる動作で距離を取ってかわして見せた。
空振りする鉤爪。
蒼はケルベロスから10メートルほどの距離を置いていた。
「くっそ…まーじかよ…相当なまってるなぁ…」
「え…え?」
蒼とまーや、両方ともショックを受けていた。
まーやはいったい何が起きたか分らないと疑問をうかべ、蒼は自身の能力が十全でない事にショックを受ける。
くるりと蒼はまーやを担いで反転すると一歩二歩と走り出す。
それを追うようにケルベロスが迫るが三歩踏み出すと同時にやはり蒼は10メートルほど距離を取って現われる。
破軍じゃ…ない…
とまーやは蒼に担がれたまま考える。
破軍とは光技の中の七つ有る神速通の一つ。その最上級技で、瞬間移動したかのように高速で動く縮地の法である。
それ相応の反動がある技で、担がれているまーやが無事でいられる技ではないのだ。
それにこんなに連発できる技じゃないです…
一歩二歩三歩と、蒼は三歩進むたびに瞬間移動してケルベロスから距離を取っている。
「まーや、援軍は?」
蒼の声にまーやはすまなそうに声を発した。
「来れないのです…実戦部隊は待機命令が出てるのです…白騎士機関の到着はまだ先なのです…」
「なぜっ!?」
「もう一匹メタフィジカルが出現しているのです。そちらが先に確認された弩級なのです…命令が混乱して実戦部隊が出せないのです」
「良く分からんが、応援は来ない、ここは自分達でどうにかしろって事でオーケー?」
「このまま敵を引き連れて亜鐘学園に逃げるのです、そうすれば…」
「無茶を言う…普通出来ねーぞ?」
「でも…それしかないのです…このままどうにかあのメタフィジカルをつれて学園に逃げるのです…」
なんてしゃべっていたのがいけなかったのか、いつの間にか距離を詰められていたケルベロス、その振り上げられた鉤爪を避ける事が難しいタイミングで振るわれた。
「くそっ!」
踏み出した足はまだ二歩。全盛期の勘を取り戻して居ない蒼にはこの攻撃を避けるのに三歩分のインターバルが必要だった。
とっさにまーやを抱きしめ庇うと、振るわれた鉤爪を光技で言うところの「金剛通」、念で言うところの「堅」でガードして受けると、勢いを殺すように自身から跳ね上がった。
跳ね飛ばされた先に有ったのは大きめの工場後。倒産し、廃墟となっていた
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