エイプリルフールIF 【ワルブレ編】
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悩むのですっ…」
まーやはガラスケースの中のジェラードとにらめっこしている。
一応この店はカップに三種類のジェラードをよそってくれるのだが、まーやは絞り込めない模様。
「マンゴーとブルーベリー、抹茶の三つと、後はこのバニラとチョコ、ストロベーリーで」
決められないまーやに代わって蒼が勝手に注文する。
「蒼?」
「決められなければ二人でシェアすればいいだろ」
そう言うとまーやはその手が有ったっ!と言う表情を浮かべた。
商店街の外れに設置されているベンチに二人で腰をかけるとジェラードを突く。
「バニラはやはり王道なのです」
と、まーや。
「しまった…柑橘系に抹茶は合わない…」
「う…本当なのです…」
まーやが蒼のジェラードにスプーンを延ばし頬張ると同じ感想を述べた。
ほんの少しの幸福な時間。しかしそれを終わらせたのは狂獣の咆哮だった。
グラアアアアアァァァァァァッ!
パリンパリンパリンッ
商店街のガラスと言うガラスが突然前触れも無しに砕け散った。
「キャーーーーっ!?」
「な、なんだっ!」
「どうしてガラスがっ?」
「おい、頭上気をつけろよっ」
二階の窓から飛来するガラスの破片で商店街は阿鼻叫喚だ。
商店街のアーケードの上にそれは居た。
体躯は全長五メートルほどだろうか。
首が三つに尻尾が二つ付いている黒い犬のような化け物だ。それは神話に出てくるケルベロスのよう。
「異端者…」
「それも多頭種だな…」
まーやの言葉に訂正を加える。
通常、頭が多い方が異端者は強力だと言われている。
グラァァァアアアアッ
再び咆哮。
今度はまーやの耳を蒼が塞ぎ、そのまま通力で防御する。
その衝撃はすさまじく、商店街に立っている人は居ない。皆地に伏していた。
そんな中に立っている人間を異端者が目にしたとしたら?
「くっそっ!」
蒼の目の前でメタフィジカル…ケルベロスが空中へとおどり出す。視線は完全に蒼たちに向いていた。
まーやがどこかに電話している。きっと応援を呼んでいるのだろう。
だが、間に合わない。
「ひっ…」
まーやの顔が恐怖に歪む。
ケルベロスは完全に此方をロックオンしているし、着地後アスファルトをめくり上げながら此方めがけて駆けてくる。
「逃げるぞ、まーや」
「蒼一人で逃げるのです。まーやは置いていってほしいのです」
「女の子を一人置いて逃げられるかっ!」
入学したての亜鐘学園の生徒がいくら救世主と言えどいまだ新人。それにメタフィジカルが出た場合多人数で囲ん
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