エイプリルフールIF 【ワルブレ編】
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き、詠唱を必要とする。
基本、その両方を使いこなす存在は居るかもしれないとされるが、転生には数千年の時間がかかり、さらに記憶を継承しての転生を二回も繰り返す存在はまずいないだろうとされている。
と言う訳で、蒼は白鉄として授業に臨んだのだが…記憶が戻った蒼にしてみれば授業なぞ児戯に等しい。
何故なら白鉄の殆どがまだ自在に纏すら行えていないのだから。
そんな訳で蒼は直ぐに授業を受けるのを止めた。
実技の時間は昼寝の時間だ。
中庭の芝生がぽかぽかして気持ちよさそうだ。
纏をしながら睡眠。
精孔は開いているが、まだまだ記憶の通りとは行かない。
これは前世を思い出すのが遅れた弊害だ。まだ馴染んでいない。
昔は寝ていても纏が解けることは無かったのだが、今は起きるころには解けている。これは修行不足と言った所だ。
「あ、やっぱり居たのです」
と、艶のある金髪にそれこそ天使の輪を作り無邪気に声を掛けてくる幼女が一人。
「まーやか」
「はいなのです(にぱ)」
彼女は四門摩耶。早くに救世主として覚醒した為に亜鐘学園に閉じ込められている少女だった。
彼女は蒼がサボっていたときに知り合った昼寝仲間だ。
「お昼寝です?」
「ああ…」
「サボタージュはいけないのです」
「とは言え、太陽が気持ちいいからね。絶好のお昼寝日和だ。だから今日は一日昼寝をすると決めた」
「そうなのです?」
「ああ」
と真顔で頷く。
「それじゃまーやもお昼寝するのです」
「そか」
そう言うと蒼は左腕をだらんと芝生に転がした。
「えへへっ」
ごろんと躊躇いも無く蒼の腕を枕にして寝転がるまーや。
程なくして蒼が眠りに入った。
「すぅ…」
蒼の寝息が微かに聞こえてくる。
「いつ見ても蒼の通力は綺麗なのです」
蒼銀のオーラが蒼を覆っている。
蒼だけを覆っていたオーラがだんだんとまーやを取り囲んでいく。
「ん…っ」
まーやはこれが好きだった。黒魔のまーやは魔力は纏えても通力は纏えない。魔素を取り込んで自分のものにする魔力とは違い、自身の内よりでる通力がこんなに暖かいものだとは思ってなかった。
「今日は寝ぼけるですかね?」
まーやは期待して待つ。
完全に寝たことを確認するとするすると腕から抜け出し蒼に乗りかかると、その小さな唇が蒼のそれをついばみ、割り入れ、そこに少量の魔力を注ぎ込む。
すると、虚空にうっすらと何かが浮かび上がってくる。
本当にうっすらと巴模様の真ん中に十字の剣
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