第十話 追跡の風、黒き帳
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」
顔をあげると、そこにはシュラウドが居た。
「シュラウド……!」
「連刃がまさかここまでとは……。最後で憎悪を持って使ったのが止めだったかしら。『この層で茅場晶彦を殺してもらおうと思って画策してたのに』」
「ナンダト……!?」
茅場晶彦がこの世界にいる……シュラウドはそう言った。
「まぁ良いわ。ちょうどいい。まずはこの世界を崩壊させましょうか」
すると、結晶みたいなものを取り出すと、俺は拘束される。
「ナンダト……!?」
「これは催眠結晶。これを使われたプレイヤーは使ったプレイヤーの意のままに操ることが出来る。ま、試作段階だから副作用は分からないけどね?」
すると、催眠結晶は怪しく光る。
「キサマッ!!」
牙を剥き出しにして吠える。
「オレニヒトヲ……プレイヤータチヲコロセトイウノカ!!」
「茅場晶彦を殺すためなら手段は選ばない……それが私よ」
そして、催眠結晶が砕かれた瞬間、俺は意識を刈り取られた。
同時刻コリニアゲート市……
人のいなくなったコリニアの転移門が、淡く青に輝いた。
そこから飛び出してきたのは、金色の髪に、翡翠色の目をした長身の男だった。
「いったぁっ!!」
頭から地面に激突した男は涙目になり起き上がると、再び転移門が淡く青に輝いた。
次に飛び出してきたのは、獣のようなぬいぐるみ。
『うふっ!』
訂正、ぬいぐるみの様な獣だった。
「大丈夫か!?」
『心配要らない』
獣は言うと、体を震わせる。
『ここは……SAOの中か?』
「どーやら実験中に引き込まれたみてぇだな」
腕に付けられている翡翠色の丸いものを取り外すと、言う。
「これ帰れるのか?ディケイドノリじゃねぇけど」
『それが在るなら帰れるだろうな。これも一時的な物らしいし』
獣はペシペシと床を叩くと尻尾を揺らす。
『それとも……実験中に引き込まれたのにはここで我々がやるべきことがあるからかもしれんぞ?』
「勘弁しろよ!!俺はもう普通の!名もない!人間だっつうの!!」
男は騒ぐ。名もないと言っている時点で人間ではない気がするが。
『ともあれ、まずは宿を取るとしようか』
「あーもう!俺はもうこう言うのには勘弁してほしいのに!!」
『諦めろ、人類最強の守護者よ。我々は生きても死しても尚、守護者としての任務と使命を果たさなければ行けない。これは契約だろう?』
「ちっ、わーったよ!!」
男は頭を欠くと、獣を肩に乗せて街を歩き始めた。
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