人形葬
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フェザーン回廊封鎖作戦
目的
同盟と帝国の要衝にあるフェザーン回廊はそれゆえに交易で繁栄しているが、軍事的に見て惑星フェザーンが帝国の手に落ちた場合、同盟が被る不利益は同盟の維持に深刻な打撃を与える。
また、フェザーンが中立政策を隠れ蓑に帝国と同盟内部の対立を煽っており、同盟内部の政策決定に不都合な影響を与える現状においてその排除を目的とする事がこの作戦の趣旨である。
作戦は以下の目的を達成する事を求められる。
1)地球教の解体
フェザーン政府の解体と同盟への併合を前提条件に入れる必要はない。
フェザーン政府は実質的にシスターズの娘達を隠れ蓑にした地球教に操られており、その地球教の解体こそこの作戦の主目的である。
帝国領辺境にある地球教本体に手を出すのではなく、フェザーン回廊を封鎖する事で地球教の影響力を叩き落とす事ができる。
2)フェザーン回廊の封鎖
フェザーン回廊は広く、イゼルローン回廊のような封鎖はできない。
その為、補給・整備拠点である惑星フェザーンを攻撃してその価値を落すことで、帝国側にイゼルローン回廊と同じ距離の暴虐を味合わせる事を目的とする。
一大流通拠点であるフェザーンの価値を落す為に、惑星フェザーン全土を対象にした全面核攻撃を提案するものとする。
3)正当性の確保
この作戦については、フェザーン政府が同盟および帝国政府に影響力を発揮していると非難が来るのは間違いがない。
その為、フェザーン政府と地球教がどのような悪事を働き、その悪事への制裁という形で正当性を確保する事が求められる。
これについては、ブルース・アッシュビー謀殺容疑(別途資料)、サイオキシン麻薬密売(別途資料)……等を用いて正当性を確保する
この作戦を本当に人形師が立案した訳ではない。
だが、復讐者としてフェザーンに制裁しようとした事は本当で、その為のフェザーン侵攻計画は彼らの血判状でもあったのである。
その忘れ去られた血判状を具体的にしていったのが残された人形たちだった。
ド・ヴィリエ大主教を入手した事で帝国側での地球教の犯罪行為が提示できる事でこの作戦が一気に具体化した。
そして、フェザーンと地球教は今現在一番力が衰えており、同盟政府はフェザーンでクーデターを企んでいた。
その流れに彼女たちも乗ったのだ。
出してきた提案は最も簡単で過激だったが。
「フェザーン一星を核で焼くことで、同盟は数十年程度の平和を手にできるでしょう」
「そこに住んでいるおよそ三十億の人間を代償にですか?」
ヤンの声は己が思っていた以上に低く冷たい。
己の声を聞いて、ヤンは自分が激怒している事を自覚した。
「『尊い犠牲でした』で片付けられる三十億で
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