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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第九話 俺と、私にできること 前編
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キリとした声で彼女は俺に問う。

 なぜ? と。

 その問いに俺は、申し訳ない気持ちで、謝った。

「ごめん」

「何が……っ!?」

 突然の謝罪に、少女は目を丸くして驚いた。

 なぜ今の問いに謝罪が返ってくるのか。

 だけどしばらくの間が過ぎると、気づいたようにハッと声を上げた。

「まさか、また嵌められたの、私?」

 震える声に、俺は無言で頷く。

「人はどれだけ嘘をつこうとしても、必ず真実との違いが生じてしまうものだから」

 そう言って俺は雪鳴の方を見る。

「雪鳴は昔からこんな感じで、ほとんど感情が表情として出ないように見えるんだけど、本当は僅かに違うんだ」

「そうなの?」

 今度は雪鳴が驚いた様子で俺を見る。

 驚く、と言っても瞳孔が開いた程度だけど。

「ちゃんと感情の通りに筋肉は動いてる。 ただそれが小さく見えるだけで、ちゃんと口角や瞳孔は動く。 他にも色んな筋肉が状況に応じて動いているから、俺はそれを読み取ることで雪鳴が今どんな表情か、どんな感情かを読み当ててるんだ」

「……恥ずかしい」

 と言いながら両手で顔を隠す雪鳴。

 その姿は、流石に予想とか読み取りがいらないほど、恥ずかしがっている。

 俺は苦笑し、そして金髪の少女に視線を戻す。

「俺の眼は筋肉の細かい動きや、魔力の流れを読み取ることができる。 例えどれだけ複雑で、人それぞれに動きの違いがあっても、感情パターンは共通してる」

 人の動きには思考や感情、本能が伴う。

 そしてそれを脳からの電気信号などによって必要な部位に伝わることで動作が起こる。

 呼吸も然り、血液の循環、心臓の動作リズム。

 全てには必ず理由があり、それには一定のパターンが存在する。

 それら全てを完全に、完璧に理解した上で、その小さく速い流れを見切る眼があれば、どんなに嘘をついても無駄だ。

「君の年齢を当てたのは、君の身長や体重、血液の循環速度や反射神経の集計結果だ。 まぁ他にも、知り合いに君とよく似た子がいるから、勘も混じってかもね」

 と苦笑して返す。

 金髪の少女を見つめながら、俺はふと高町 なのはの姿を思い出していた。

 二人はどことなく似てると思ったから。

 どこが、と聞かれるとハッキリとした回答が出せないけど、それでも似てると思った。

 だから高町と同じ9歳と言ったのかもしれない。

「君の出身地に誰もいないと予測できたのは、その一つ前に空腹の質問をして動揺していて、冷静になったからだ」

 俺が何度も何度も、フェイントのように本題から逸れるような質問をしたのにも理由がある。

 それは、彼女が冷静から動揺に、動揺か
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