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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第九話 俺と、私にできること 前編
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えに、私は彼女に私に似て非なるものを感じた。
信じるものに従う。
それは私が母さんの願いに従うように、彼女がクロガネと言う人に従ってるのも同じだと感じた。
けど、決定的に違うものがあるとすれば、彼女から感じる絶対に揺るがない覚悟。
その瞳には迷いが見えなくて、躊躇いが見えない。
きっとこの人は、クロガネに頼まれれば人を殺せるんだ。
さも当たり前のように、迷いも躊躇いもなく、平気で殺すんだ。
狂ってる?
うん、きっと彼女は狂ってる。
けれど、誰かを想う心があるのならば、そしてそこに一切の疑いが生じないのならば、私よりはずっとマシだ。
だって私は、まだ迷っているから。
母さんの願いに従うだけで良いのか。
それが、正しい道なのかすら、分からないでいるから。
迷う私、迷わない彼女。
そのたった一つの違いが、決定的な違いなんだってこの短時間で気づかされた。
無表情なのに、彼女からは色んなことが伝わってくる。
(本当に……似てるから、かな?)
「どうしたの?」
「……なんでもない」
そう言って私は彼女から目をそらす。
これ以上彼女を見つめていると、自分も不必要なことを語ってしまいそうだった。
彼女は敵であると言うことを忘れてはいけないと、今一度決意を込めて押し黙る。
――――そんな少女のお腹が、無情にも空腹の鐘を鳴らす。
「あら、可愛い音」
「〜〜ッ!!」
聴かれた。
聴かれてしまった。
女の子でなくても、誰でもこの状況でお腹が鳴れば悲鳴を上げたい程に恥ずかしがるだろう。
彼女も例外ではなく、真っ赤な顔を隠すために毛布に顔面を突っ込んだ。
思い返せば最後に食事をしたのはだいぶ前のこと……それこそ、窓から覗く空はまだハッキリと太陽が指していたはずの時間帯。
今のように青みがある黒い空の時間帯ではない。
ジュエルシードが発生させた怪物との戦闘。
更には魔導師の少年との戦いと、連戦だったためにカロリーはかなり消費している。
そこから長時間の睡眠も取れば、空腹に至るのは当たり前のこと道理だった。
(よりにもよって何でこんなタイミングなの!?)
敵の目の前で。
二人きりの、更に無音な空間。
そこで空腹の鐘は、普段よりも大きな音に聴こえただろう。
(……死にたい)
そう思いながら私は彼女に背を向け、毛布に全身を包んだ。
耳も塞ぎたいところだけど、塞いだところで念話があるから無駄だと気づく。
そんな気まずい空気を払うように、この部屋とは違うドアが開く音がした。
「あら、
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