第一章:大地を見渡すこと その弐
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男共に乱暴にされるたびに徐々に赤くなり始める。上下の口は乱暴にされるたびに興奮してきた。どんなに否定しようとも女の体は男のそれを求めている。白い肌は汗と白い液体にまみれ、土の茶色がそれをさらに彩る。口からは隠し切れない興奮の吐息が走り、その中に女自身の淫靡な欲求が徐々に強く現れていく。そして最後には演技の悲鳴が完全に消え去り、懇願の言葉を出して自ら求めていく。肌をすり合わせ自らの女をより強調し荒々しいそれに熱い視線を注いで求める姿に男達はさらに興奮し、より滾|(たぎ)るそれを女に押し付けあう。ーーー。
とまぁ、賊の思い通りになるならこんな風になるのであるが、現実は若干違った。
駆け寄る仁ノ助は馬と接触する寸前、勢いよく右に向かって弾かれるように飛び、賊の刀の範囲から逃れる。そして肩に担いだ刀で左から袈裟懸けに馬の左前足を切断する。勢いを保ったまま前へつんのめる馬諸共、男は驚愕が混じった悲鳴と共に頭から地面に投げ出される。それを気にも留めず二人目の賊に向かって仁ノ助は走っていく。他の賊達は驚きの余り馬を駆る速さを緩めてしまっている。ひょっとしたら今斬った馬に乗った奴がこいつらの頭、または一番の猛者か。付け入る隙を与えた賊に乗じる形で二人目の賊に向かって勢いよく地を蹴って飛び掛る。賊の驚愕の表情に恐怖の色が混じった。
「シャァッ!」
地を蹴って跳躍した仁ノ助は馬上に乗るように飛び掛り、乗っていた哀れな賊の胸に勢いよく刀を突き刺す。勢いの余り刀は背中を突き破り血が噴出した。賊が持つ刀を無理やり奪い取ると体を地面に蹴落とし三人目に向かって馬を走らせる。どうもこの馬は前の主が気に入らなかったらしく、新しく主に変わったことになんの拒絶もしなかった。
「ぁぁ・・・・・・・・・こっち来るなァァ!」
狙われた賊は悲鳴と共に逃げ出そうとするが、背中を晒したその姿は刀を刺すのに十分すぎるくらいだった。仁ノ助は手綱を使って馬を巧みに操り、賊の馬に近づいていく。そして刀を逆手に持ち、勢いよく投擲した。刀が使い捨ての道具に過ぎないのはこの男にとっても同意見であったようだ。投げ出された刀は馬の尻に刺さり、不健康そうな黒が混じった赤の血が漏れ出す。馬は痛みの余り横倒しに転倒していく。男は悲鳴を挙げつつも手綱を放していない。それが不運となり勢いよく横から地面に頭を打ち付けた男の頭蓋から、不吉な音が響いた。男は一度痛みの悲鳴をあげるとピクリピクリと痙攣している。頭蓋だけではなく首も逝ったかもしれない。仁ノ助は最後の一人を左に見定めると馬を駆った。
「ひぃぃ・・・・・・・うわあああああ!!!」
最後の賊は蛇に睨まれたかのように体をぶるりと震わせると、やけくそまみれの悲鳴と共にこちらへ馬を駆ってきた。仲間がわずかの時間で全滅したことに恐怖したの
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