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真・恋姫†無双~現代若人の歩み、佇み~
第一章:大地を見渡すこと その弐
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表情が捉えられた。助けに来たことに対する安堵感、そして一人で馬を駆る四人の賊をやれるのかと疑う不安がないまぜだ。まぁ見ていろ。男の心には不敵な自信が存在した。最初の一撃をどのようにやるかで賊共の威勢を挫けるか、彼は既にその方法を決めていた。
 女性と馬を鼓舞するように彼は叫ぶ。

「そのまま町へ走れ!!!」
「おぃ・・・ぇ!!・・・・じゃねぇ!!」

 勢いを保って女性とすれ違う彼の前に四人の賊が見定められ、前方からなにやら叫び声が聞こえてきた。察するに女を追う邪魔をするなということだろう。ここで邪魔をされたら最早これ以上追うのは自らの命を徒に危険に晒す事態となる。町から出てきた兵士に取り囲まれ、しかもそれが五人以上だったら賊達は終わりだ。
 彼らが乗っている馬は元々馬屋から奪ってきた駄馬であり、兵士達が駆る馬と比べれば赤子同然。獲物を捕らえることが実質的に不可能になりかけている現実に、彼らの怒りが滾りだし、それを自分達に向かって己の足で迫る生意気で憎たらしい男に向けていく。 元々歪んだ顔を顔を歪め、顔の皺一本一本から汚らしい殺意が滲み出ている。刀を握る力がさらに籠められた。
 仁ノ助は紐帯に差した刀を抜き左肩に担ぎ上げる。賊の一人が我先にと此方目掛けて疾走してくる。手に持たれた刀は血の脂をそのままにしており、大きく振りかぶられた。右から袈裟懸けにする気であろう。この世界には未だ鐙|《あぶみ》が発明されてないため、馬を駆るには足腰を中心とした筋肉が強靭であることが必至。更に刀を振るうとなればより強い筋力が必要となり、馬を駆る者のバランス感覚も必要となる。力がなくば、どんな馬すら暴れ馬となる。その難度が高い馬術を出来るこの賊は見た目以上に自らを鍛え上げ、自らの武技によってこちらを殺す自信があるのであろう、手に刀を持つ姿は中々に板についていた。
 最初の賊との距離がさらに縮まる。距離は四間《≒5.6メートル、つまり1町≒1.4メートル》。双方から相手に向かって駆け寄っている距離なら一秒も満たずに接触する。そのままさらに近づいた瞬間、賊の刀が音と共に振り落とされた。馬の勢いも手伝って本来のそれよりもさらに早く下ろされているのが賊自身も分かった。

「ッォラァ!」

ーーー男はなすすべもなく胸元を深く斬られ傷口から勢いよく血を吐き出す。胸元からは臓器と骨が見えるほどで助かりようがない。賊共はそれを放置して女の方へさらに足を速める。女はこちらを振り向きもしない。が、最後には追いつかれて自らの愛馬から振り落とされる。賊たちは馬もろとも確保し町から離れていく。そして誰も目のつかぬ場所で女をいただく。どのように陵辱しようか。悲鳴をあげて助けを求める女の服を無理やり脱がし破き、自らの暴君を慰めるために女の体を使う。健康そうな肌が地面に押さえつけられ、
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