第三章
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「ですから作画もストーリーも原作者のクオリティに限りなく近いままです」
「それならだな」
「はい、プロダクションにです」
「描いてもらうか」
「そうしませんか」
「そういえばプロダクションの方もな」
「責任者であった原作者が死んだので」
それが為にというのだ。
「仕事がなくなっています」
「彼等にとっても渡りに船か」
「そう思います、ですから」
「よし、わかった」
ここまで聞いてだ、社長は腕を組んで頷いた。
「それではな」
「はい、プロダクションに描いてもらいましょう」
「連載再開だな」
「そうしましょう」
こうしてだった、社としての方針は決まった。それでだった。
雑誌の広告でだ、大々的に宣伝した。
『スペシャルヒーロー復活!』
「何っ!?」
このニュースにだ、国中が驚いた。
そしてだ、彼等は口々に言い合った。
「本当にか」
「本当に復活するのか!?」
「死んだだろ」
「連載終了しただろ」
「まさか」
ここでだ、彼等は察した。
「連載再開か」
「そしてスペシャルヒーローがか」
「また活躍するのか」
「そうなるのか」
「しかし」
ここでだ、彼等はこの現実を思うのだった。
「スペシャルヒーローは死んだ」
「確かに死んだぞ」
「それで復活するのか」
「原作者自身が死んでいるのに」
「それでもか」
「出来るというのか」
誰もがいぶかしむことだった、だが。
確かに連載は再開することになった、それでだった。
彼等はスペシャルヒーローを見た、彼は。
確かに死んだ、しかしだった。
世界に再び恐るべき驚異が訪れた、人々がその驚異の前に為す術もなく怯えるまさにその時にだった。
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