第一章
[2]次話
永遠のヒーロー
今この国に激震が走っていた。
「そんなことは嘘だ!」
「有り得ない!」
「スペシャルヒーローが死ぬか!」
「彼は不滅だ!」
その国で誰もが知っているヒーローだ、漫画からはじまっているがアニメにも映画にもなっていて世界的にこの国の代名詞の一つにさえなっている。
だからだ、誰もが驚いて言うのだ。
「終わるなんてな」
「ヒーローが死んで」
「そんなことはない」
「あってたまるか」
「どうして終わるんだ」
「しかしな」
否定派に対してだ、終わることを事実だと言う所謂肯定派はこう反論した。
「原作者がな」
「ああ、もうな」
「先月亡くなったな」
「だからか」
「原作の漫画がそうなったからか」
「何でもな」
肯定派はさらに話した。
「もう最終回の原稿あるらしいんだよ」
「こうした時の為にか」
「もう用意してあったのか」
「それを雑誌に掲載してか」
「最終回か」
「だからな」
それでというのだ。
「あの作品終わるらしい」
「原作の漫画がか」
「じゃあアニメもか」
「映画の方もか」
「終わるんだな」
「そうなるだろうな」
原作者が死んで漫画の連載が終了するからだ、その根本のメディアが。
「だからな」
「終わるか」
「残念な話だな」
「我が国のヒーローなのにな」
「我が国を象徴するな」
「スペシャルヒーロー終わるか」
「遂に」
誰もがこのことも落胆した、このことは否定派だけでなく肯定派もだった。連載が終わることを事実として認識しながらもだ。
どちらもだ、苦い顔で話した。
「終わって欲しくない」
「何とかならないのか」
「連載終了は仕方ないけれど」
「どうにかならないのか」
「このことは」
願いは一つだった、だが。
その最終回でだ、スペシャルヒーローは。
これまでなかった強敵と戦い勝った、しかし。
致命傷を負い死んでしまった、その死を観てだった。
誰もがだ、涙を流して言った。
「終わったな」
「本当にな」
「死んだな」
「これでな」
「完全にな」
その終了を確信したのだった。
「もうな」
「これでスペシャルヒーロー終わりか」
「死んだしな」
「それじゃあな」
「お別れか」
落胆した言葉だった、誰もが悲しんでいたがだ。
終わったことは事実だった、それで落胆は絶望にさえなっていた。
この空気はファン達だけでなくだ、スペシャルヒーローが掲載されている雑誌を出版している出版社でもだった。
社長自らだ、会議を開いて言った。
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