第三章
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「けれどな」
「それを言い過ぎてな」
「かえってな」
「現実的かっていうと」
「そうじゃないだろ」
「オカルトにしても」
この分野もというのだ。
「錬金術とか魔術とかあって」
「そこから科学も出来たし」
「そうそう、元は一緒なんだよ」
「だから否定しきれない筈なんだよ」
実際にはというのだ。
「本来は」
「本来は、な」
「けれどあの人は」
「その本来が、な」
本来を常識と言い換えて言うのだった。
「通用しない人だからな」
「本当に学者か?あの人」
「博士号持ってるんだよな」
「じゃあ学者なんだよな」
「学者っていっても色々か」
「工学博士っていっても」
「マッドサンエンティストってやつか」
こんな言葉もだ、大藪にはよくかけられていた。
「まそんなのだな」
「あの人はな」
「悪い人じゃなくても」
「マッドサイエンティストだな」
「極めつけの変人だよな」
こう言われるのだった、そして来る日も来る日も大学の中はおろか学会でもテレビでも力説していた。テレビの中でもだ。
共演者達にだ、ムキになって言っていた。
「そう、宇宙人なんていないんですよ」
「いないですか」
「いる筈ないじゃないですか」
司会者に顔を赤くさせて言うのだった。
「金星人とか何とか星人とか」
「UFOもですか」
「あれは色々あるんですよ」
あまりにも有名なそれもというのだ。
「車のライトだったり星の見間違いだったりお昼だと鳥とか」
「そういうばかりですか」
「そしてプラズマです」
大好きなこれも言うのだった。
「そういうのです」
「全部そうなんですね」
「そうです、UFOなんていません」
こう断言するのだった。
「そういう本も一杯出てますが」
「全部が、ですね」
「嘘です」
座っている席の机を叩かんばかりだった。
「悪徳商法に近いですか」
「そうですか」
「私はいつも言ってますよね」
「あのですね」
「いいですか?」
共演者達がだ、ここで大藪に言った。
「宇宙人いないって言いますけれど」
「UFOも」
「はい、いません」
大藪は共演者達にも言い切った。
「いる筈がありません」
「それじゃあ僕達何ですか?」
「私達は」
「宇宙人ですよね」
「そうですよね」
こう言うのだった。
「それに宇宙にも出てますけれど」
「ガガーリン大佐以降」
「こっからUFOがなっていくんじゃないですか?」
「技術が発展して」
これが彼等の意見だった。
「やっぱり」
「そうなりませんか?」
「違います!」
大藪は彼等にも言い切った。
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