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バレンタインは社交辞令!?
6部分:第六章
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がはっきりしたのはそれからすぐ後のことであった。
「何てこった」
「ふふふ」
 両者はそれぞれ違う顔を見せてきていた。
「負けかよ」
「一個の差だったな」
 勝っていたのは浩太であった。卓はチョコレートの山を前に苦渋に満ちた表情を浮かべていた。
「けれど勝ちは勝ちだな」
「ちぇっ」
 舌打ちするが勝敗が決したのは明らかであった。彼も従うしかなかった。こうして浩太は大吟醸を手に入れてそれと共に多くのチョコレートも勝ち得た。実に大きな勝利であった。
「しかし」
 彼はふと思った。彼の勝利を決めたそのチョコレートが誰のものなのか気になって仕方がないのであった。
 その一個は誰か。考える。だがここで何か予定事項のように出て来た人がいた。
「よかったじゃない」
 岩田さんであった。にこやかに笑って浩太の席にやって来た。
「大吟醸おめでとう」
「うん」
 それに答えはする。しかし何か妙なものを感じていた。
 それで彼女に問う。やはり彼女こそが気になる存在になっていたからだった。
「あのさ」
「とりあえずチョコレートよね」
 しかし岩田さんは彼が言う前に言ってきた。
「持って帰らないとね」
「あっそうか」
 言われてそれに気付いた。というよりは言われるまで気付かなかった。
「そうだったね。これ」
「どうする?会社でこつこつ食べていく?」
「いや、それはやっぱり」
 苦笑いを浮かべてそれは否定した。
「味気ないから」
「そうよね。じゃあお家でよね」
「うん、そうするよ」
 彼は答えた。そのうえでこう言った。
「これで暫くはお菓子にもお酒のつまみにも困らないだろうね」
「そうね。それもよかったじゃない」
 岩田さんはその言葉にも笑ってきた。こうして落ち着いて見てみればかなりの量であった。一人で持って帰るのはちょっと辛そうであった。
 そこでであった。岩田さんが提案してきた。


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