第三章
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「その通りだけれどな」
「そうでしょ、雪って氷でしょ」
「とどのつまりはな」
「それで降るのよね」
「ああ、そうだ」
「だったらね」
それならと言うファナだった。
「難しい話じゃないんじゃないかしら」
「マイアミで雪もか」
「氷なら幾らでもあるでしょ」
「そんなの水を冷凍庫に入れたらな」
ペドロは氷についてだ、ファナにすぐに言った。
「あっという間に出来るさ」
「そうよね」
「氷なんて今時珍しくもないさ」
「簡単に出来るからね」
「そんなの何処にでもあるさ」
また言ったペドロだった。
「珍しくも何ともないさ」
「それこそね」
「じゃあ氷で我慢しろ」
今度はこう返したペドロだった。
「それでな」
「氷ね」
「それが雪ならな」
「氷は塊じゃない」
これがファナの返事だった。
「確かに雪は氷だけれど」
「それでもっていうのか」
「塊でしょ、雪は結晶じゃない」
「散っててな」
「私はそっちが見たいのよ」
「我が儘な奴だな、本当に」
呆れて返したペドロだった、だが。
彼はやれやれといった顔でだ、ファナにこう返したのだった。
「よし、それじゃあな」
「それじゃあって?」
「出してやるよ、雪」
「降らしてくれるの?」
「それは無理だけれどな」
それでもというのだ。
「出すことは出来るってわかったからな」
「じゃあどうして出してくれるの?」
「待ってろ、明日だ」
今日ではないがというのだ。
「明日出してやるさ」
「楽しみにしていていいのね」
「是非な」
「それじゃあね」
こうしてだった、ペドロは。
次の日店にあるものを持って来た、それは。
砕氷機だった、それを店の前に持って来てだった。彼はファナに言った。
「昨日のうちに借りてきたんだよ」
「手配したのね」
「だからな」
それでというのだ。
「これで雪を作るな」
「そうしてくれるの」
「昨日言っただろ、雪は氷の細かいものだって」
「ええ、言ったわ」
実際にだとだ、ファナも認める。
「覚えてるわよ」
「だからな」
「今からなの」
「雪作るな、待っていろ」
「楽しみにね」
こうしてだった、ペドロはその砕氷機でだった。
冷凍庫であらかじめ作っておいた雪の塊を店の前まで持って来てだった、砕いてそれを店の前に散らしていった。すると。
「あっと、雪がね」
「積もってきてるだろ」
「確かにね」
そうだとだ、ファナもその状況を見つつ言う。
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