第五章
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動物達はそれぞれ卿が言った通りにされてだった。動ける使用人達が卿とメアリーが動けない間n世話をすることになった。だが。
卿は寝ている間だ、ずっとだった。
気が気でないという感じでだ、世話に来た動ける使用人達にベッドの中から言った。
「中国人の偉大さがわかったよ」
「それはどうしてですか?」
「一日千秋という言葉を生み出したからだよ」
それ故にというのだ。
「偉大だよ」
「旦那様の今のお気持ちですね」
「そうですか」
「日本人の言葉かも知れないけれど」
どちらにしてもというのだ。
「どちらにしろね」
「旦那様の今のお気持ちはですね」
「うん、一日千秋だよ」
そうした気持ちだというのだ。
「どうにもね」
「左様ですか」
「早く全快して」
そしてというのだ。
「皆の世話をしたいよ」
「そうですか」
「五日安静と言われても」
「その五日がですね」
「千秋、いや」
自分でこう訂正したのだった。
「五千だね」
「五千秋ですか」
「そうだよ、辛いね」
「ですがこのことはです」
「仕方ないね」
「はい、ご病気です」
それ故にというのだ。
「耐えましょう」
「耐えるというと深刻だね」
「そうですね、ですが」
「うん、我慢するしかないね」
こう話してだ、そのうえで。
卿は不承不承ながらも自分のベッドの中で大人しくした。その五日の間をこれ以上はないまでに長くん感じながら。
そしてだ、その五日が終わってだった。
朝目覚めてだ、彼は使用人の一人を呼んでこう言った。
「皆はどうしてるかな」
「あの、確かに五日目は終わりましたが」
呼ばれて部屋に入って主の言葉を聞いてだ、ディズレーリは呆れた顔出返した。
「ですが診察が終わってです」
「それでよしと言われてだね」
「それからなので」
だからだというのだ。
「まだペット達のところにはです」
「行けないんだね」
「まずは朝食を召し上がられて下さい」
ディズレーリはここから話した。
「そしてです」
「診察を受けてだね」
「そうです、それからです」
「ううん、待ち遠しいね」
「ですがそれでもです」
「手順があるね」
「診察で大丈夫と言われてです」
それからだというのだ。
「それまでお待ち下さい」
「わかったよ、じゃあすぐに朝食にして」
「家のお医者さんを呼んできますので」
家で雇って住み込みでいる彼をというのだ。
「それまでお待ち下さい」
「それじゃあね」
「焦っても何もなりません」
ディズレーリは主に真面目な声で告げた。
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