第四章
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「ザリガニや亀も」
「彼等は流石にいいと思いますが」
「そうだね、世話も出来るしね」
「はい、特に」
「問題は犬に猫に」
「イグアナやトカゲ、ヤモリも別に」
「いいね」
何とかだ、卿は一緒に屋敷にいられる彼等のことを意識してディズレーリに言った。
「彼等も」
「そう思います」
「馬は厩にいるし」
乗馬用だが卿にとってはペットだ。
「あとは鳥達も」
「彼等もですね」
「いいね、別に」
「確かに。彼等も屋敷の中の離れた場所に集めていれば」
「罹った人は私達みたいに部屋に隔離をして」
勿論治るまでだ、インフルエンザには当然の処置でありこの屋敷の中でもそうしているのである。
「近寄せないで」
「そうしますか」
「ハムスター達もそうして。蛙達も水槽にいるからいいね」
「はい、彼等にしても」
「ただ。用心は必要だから」
卿はインフルエンザの高熱に苦しみながらもだ、ディズレーりに言っていった。マスクをしてガードをしている彼に。
「彼等も離れた場所に置こう」
「お屋敷の」
「そうしよう、そして問題のね」
「犬に猫達ですね」
「彼等はね」
ここで卿が言った提案はというと。
「犬達は厩に移動させよう」
「馬と一緒にですか」
「暫くいてもらおう」
「そうされますか」
「うん、あそこなら大丈夫だ」
馬がいるそこならというのだ。
「屋敷から離れているし一つに集めたらね」
「そうしたならですね」
「人手が足りなくても対応しやすい筈だよ」
「確かに。言われてみれば」
ディズレーリも主の言葉で気付いた。
「そうですね」
「そう、そこに皆がいるとね」
「一度に対応出来ますからね」
「それで出来る、猫達も一緒だよ」
彼等もというのだ。
「一つの場所に集めて」
「そのうえで」
「彼等のトイレもね」
そこに集めてというのだ。
「食器もそうさせて」
「細かいですね」
「細かくないと」
それこそとも言う卿だった。
「彼等が困るから」
「だからこそ」
「同じだけ世話をすることになる君達もね」
普段は卿が妻と一緒にかなりの時間をかけて全てのペット達の世話をしている。仕事がない時は使用人達よりも遥かに積極的にそうしているのが現実だ。使用人達も世話をしているが彼等はアシスタント程度なのだ。
「それでいけるから」
「ではその様に」
「してくれるかな」
「旦那様がそこまで言われるのなら」
ディズレーリも答えた。
「私もです」
「そういうことでね」
「はい、それでは」
こう話してだ、そしてだった。
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