彼女の本心
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その今度はすぐにやって来た。東北がアイドルということが分かって二日後だった、jamバンドがその番組に出演することが決まったのだ。これは好機と、俺はマキに付いて行ってよいかダメ元で頼むことにした。
「私は別に、と言うかバンドの皆は良いだろうけど。問題は局の人たちが許すかどうかなんだよね」
それはそうか。と言うよりは普通に部外者だからな。
「でも、マコトの頼みだしね。聞いてみるけど、期待しないでよ?」
やっぱり持つべきはいい幼なじみだな。それから約三時間後、家でゆっくりしていた俺の携帯に一通のメールが届いた。差出人はマキで、内容は一人だけならば許可するという結果が届いたということが書かれていた。俺はその内容に一人ガッツポーズをし、早速着替えだした。
AM10:24
「久し振りですね、マコトくん」
迎えに来た車からスーツを着た、赤いマスクをつけた人が降りてきた。この人は吉田さん、マキ達jamバンドのマネージャーをやっている人だ。風貌は申し訳ないがすごく怪しいのだが、数々の有名人を発掘してきた凄腕マネージャーだ。
「すみません無理言って」
「いえいえ、マキが直接頼んできたということはそれほど重要な事なんでしょう。しかし、今後は難しいので今回だけですよ?」
どうやら相当無理をしてくれたらしい。
「吉田さん、それよりも早く行こう?ゆっくりはできないでしょ?」
マキがドアをあけ、車の中に入っていった。俺もそれに習い、中に入る。
「やっほ!久し振りだねマコトっち!」
「……久しぶり」
「お、お久しぶりです!」
「おはようございます!」
後ろの方には、jamバンドのメンバーが座っていた。青の髪をし、メガネをかけているのがベース担当の天音カナ。その隣りに座っているピンクの髪をしたのが、ドラムとキーボード担当の鼓リズムと鼓カノン姉妹だ。そして、俺達が座った席の端っこにいるのが新しく入った御手師マリーだ。
「久しぶり。っていうけど、俺はテレビでよく見るからそうでもないがな」
苦笑しながら後ろの皆に言う。
「それよりどしたのさ。急に撮影を見たいなんてさ」
鼓姉が尋ねてきた。しまった、なんて言うか考えてなかった。どうしたものか
「あれじゃないの?この頃人気のずん子ちゃんに会いたいからじゃないの?」
「ああ、納得した」
「に、人気ですもんね。あの人」
なんか壮大な勘違いをされている気がするが、東北に会いたいというのは違わないから反論することが出来ない。しかし問題は、どうやって東北に会うのかだ。マキ達に付いていって楽屋で会うこともできるものの、それじゃあ聞けることが限られてしまう。……どうにか収録の後にアプローチを掛けられるように
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