彼女の本心
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ゆかりとIAは話した時から、懐疑的だったが、まだ疑っているようだ。とはいえ、俺も未だに完全には信じきれていない。だが、もし本当ならば見過ごすことは出来ない。いまここでその音怪を止めることができるのは俺たちだけだしな。
「マコトさん!来ました!」
ミクが叫んだ。その視線の先を見ると、うっすらとだがステージが貼られたのが見えた。俺たちは間髪も入れずにそのステージに向かって走りだした。
PM23:00
「きましたね」
ステージに突入し、響器を顕現させる。ステージの中はどうやら幼稚園のようだ。
「お前……やっぱり」
「まってマコトさん。あの人響器を出してないです」
ゆかりが俺の前に出てきた。そう言われれば、あいつの手には『ずんだアロー』が握られていなかった。というか、戦闘をしようという感じでもない。なんだ、一体何が……。
「あなた…目的は何」
「目的ですか。そんなものはありませんよ」
東北がこちらに歩いてくる。
「お前、俺たちを殺すつもりなんじゃ」
「それはたしかにそうでした。とりあえず、私の話を聞いてもらえますか?」
……周りの皆を見渡す。皆も少し疑っているようだが。
「分かった」
そう言うと東北は良かったと、息を吐いた。
「私があなた達を襲った理由は、契約です」
契約……。以前言っていたあの事か、気にはなっていた。
「私がした契約とは、私の家族の身柄の安全。そのかわりにあなた達を殺すことだったのです」
その言葉を聞いた時、俺たちに衝撃が走った。
「身柄の安全って、どういうことだ?」
「私がハーメニアになった時、ある人が私達を襲ったんです。私以外の家族は皆連れ去られて……」
ある人か。恐らくそれも、カイトなんだろう。どうやら俺が思っていたよりも黒い事をしているようだ。
「その家族の解放条件としてあなた達の殺害があったんです」
「それで私達を狙ったということですか?」
「……ええ」
家族を人質に取られている……か。よくある典型的な理由だ、本当のことか嘘か。信じるか否か、俺だけじゃ判断のしようがないな。ゆかり達に目を向けると、同じことを考えていたのか、こちらに目を向けていた。
「だけど…なんでアイドルを?」
「あ、それは趣味です」
「「「趣味かいっ!」」」
もっと別の意味があるかと思ったが、趣味なのか。
「で、なんで小学校を襲ったんだ?」
「それは……その人の命令でした」
カイトの命令?
「理由はよくわかりませんでしたが、襲撃しろとだけ」
「…もしかしたらハーメニアを炙り出すつもりだったのかも」
IAが言った。そうか、恐らくカイトが今理解しているハーメニア
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