彼女の本心
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しておくか。
「てかさ、今日月曜だから学校じゃん。頼まれたから連れてきたけど、マコト学校よかったの?」
「ええ、マコトくんの学校には僕から連絡を入れておきました」
吉田さんには本当に頭が下がる。
「では、行きましょうか」
吉田さんがエンジンをかけ、車を発進させた。
AM11:45
「それじゃ、マコトくんはこれをつけて」
放送局に入った時に、何かを渡された。それは見学者と書かれた紙の入った名札だった。マキたちは既に楽屋入りをしており、今はここにはいない。吉田さんがいるものの、計画とは少し違うが行くなら今しかないな。
「あの、吉田さん。お願いがあるんですけど」
「どうしました?」
「えっと、東北さんの楽屋ってどこにあるんですか?」
それを聞いた瞬間、吉田さんは怪訝な顔をした。予想はしていたが、どうにかして場所を聞き出さなければ。
「なんでそのようなことを?」
「え、えっと。クラスのやつにサインを貰ってきて欲しいって言われて。収録が終わった後だと疲れてるでしょうし、今のうちにしておこうかなって」
苦し紛れだが、どうだろうか。
「……そうですね。こっちです、付いてきてください」
吉田さんが進んでいく。なんとかなったらしいな、これでひとまずなんとかなったか。
「ここです。僕はここで待ってますから、終わったら呼んでください」
吉田さんが扉の前で停まる。扉には「東北ずん子様」と書かれた紙が貼り付けられており、それがより一層、俺の緊張を高めた。この扉の先にあいつが……。意を決し、扉をノックする。
『はい、開いてますよ〜』
部屋から声が聞こえてきた。ドアノブに手をかけてドアを開ける。
「おや?またまた珍しいお方ですね」
東北が俺の方を見て言った。
「少し無理を言ってな。……聞きたいことがある」
「何でしょうか?ここまできたお土産に一つだけ答えてあげましょう」
一つだけ……。なら聞くことは一つだ。
「一昨日に起こった地割れの事件、知ってるか?」
そのことを聞くと、東北の顔色が変わった。先程よりも、蒼くなっている。やはり何か知っているようだな。
「お前、もしあそこにだれかいたらって考えないのかよ」
「それは……」
「お前たちの狙いが俺達だっていうなら、俺達だけを狙いやがれ!関係ない奴らを巻き込むんじゃねぇ!」
東北が顔を伏せる。こんな啖呵をきったは良いものの、正直殺られる確率のほうが高いものの、巻き添えで関係のない人たちが亡くなるのだけは嫌だからな。
「……今夜の23時」
「?」
東北が呟いた。今夜の23時?
「また襲撃が起こります。もし止めたいのなら、止めてみたら
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