五人目のハーメニア-後編-
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
を告げるチャイムが鳴り響く。
「マコト〜、ゆかりちゃん。ミクちゃん迎えに行こ〜」
マキが手をぶんぶん回しながらやって来た。
「そうですね、行きましょうか」
「転校生の子も見に行って、隙を見て連れ去って、一緒にごはんを食べよう!」
連れ去るって言う意味あったか?
-移動中-
「たのもー!ミクちゃんいる?」
マキの登場に色めきだつ。昼休みだからひとが多いのもあるが、やっぱりマキが有名人の一人だということを再認識させられる。
「あ、皆さん。と言うよりも、マコトさん!ちょっとこっちに!」
ミクが俺を掴むと、そのまま教室の外に連れて行く。一体何だ何だ。
「マコトさん、転校生に会いましたか?」
「転校生?いや、まだだけど……」
「だったら今すぐ逃げて!早く!」
ミクが切迫した表情で言った。これはもしかして、転校生が俺の命を狙ってる奴だったのか。くそっ、迂闊だった。もし、マキたちのところにその転校生が行っていたら!
「マキ達が危ないかもしれない!行くぞミク!」
「えっ!?ちょっと、マコトさん!」
急いでマキ達のもとに向かう。姿が見え始める。しかし、そこにいたのはマキとゆかり、そして初めて見る少女……
「マキ、ゆかり!その子から離れろっ!」
「?何いってんのマコト」
「あ、マコトさん。この子があなたの……」
二人の前に立つ。やっぱりそうだ、この子は初めて見る子だ。いや、二年生の生徒は全員知らないが、この子の制服はうちの学校の物とは違う。そのおかげで件の転校生ということが分かる。
「お前……」
「ま……マコト?」
その子が口を開く。やっぱり、俺の名前を知っていて、尚且つ俺を探しているということは、嫌な予感が的中してしまったのか。
「やっぱり、俺達を狙って」
「何……言ってるの?もしかして、約束……忘れちゃった?」
悲しそうな表情をする目の前の女の子。約束?俺の記憶には、こんな女の子知らないんだが……
「必ず帰ってくるって……。待ってるって言ったのに……」
必ず帰ってくる?待ってる?
その時、俺の頭のなかに朝見た夢がフラッシュバックした。
『それじゃね、マコトくん』
『??はもうかえってこないの?』
『わかんない。アメリカっていうところにいくんだって』
『でもね、わたしぜったいかえってくるから。まってて』
『やくそくだかなね。まってるからな』
!思い出した。夢のなかでは少女の顔に靄がかかっていたが、今ならはっきりと思い出せる。淡いピンク色の髪、なんで今まで忘れていたのか不思議なくらいだ。
「もしかして……IAなのか?」
「うんっ。やっと思い出してくれたんだね、マコト」
IAが嬉しそうに抱きついてくる。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ