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ハーメニア
五人目のハーメニア-前編-
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「置く……ですか?」
「はい。カウンターと言ったが良いかもしれません。相手が踏み込んできたところに、それを置いておくんです」

たしかにそれなら力要らないが……

「もし敵が踏み込んでこなかった場合はどうするんだ?」
「あ〜……。そこも臨機応変に」

……おい。

「し、仕方ないじゃないですか!私だって、どうやって使ったら良いかわからないんですから!とりあえず、マコトさん!私が教えたようにやってみてください」

ミクが刀を構える。まぁ、俺もあの武器にアドバイスをしろと言われてもなんと言っていいかわからんが……。

「よし、行くぞ!」

先ほど言われた通り、足に力を入れて、急速に加速する。

「先程よりも速いですが、単調な攻撃ですね」

ミクが剣で俺の刀を弾く。その勢いを利用して、後方へと退避する。やはり、直進して攻撃するだけでは一撃与えることができないな。

「そろそろお腹が空きましたね。よし、二人共まとめてかかって来てください」

挑発するように剣をくるくると、器用に回す。二人でかかってこいとは……舐めてやがるなあいつ。

「ならお言葉に甘えさせてもらうぜ。合わせろゆかり!」
「えっ、ちょっと!ああ、もうっ!」

もう一度加速し、ミクの前まで走る。先ほどと同じように剣で弾こうと、構える。しかしそれは俺の予想通りで、俺は刀と剣がぶつかる前にもう一度足に力を貯める。そしてそれをバネとして、ミクの上を飛び越える。その時偶然なんだろうが、ミクの剣を弾くことに成功した。俺はミクの後ろに着地し、身体を回し、その勢いを利用して回転水平斬りを放つ。

「うそでしょ!?」
「こいつで、決まりだぁぁぁぁぁ!」

ミクに『紲月歌』が入る直前に、何かが『紲月歌』を弾き飛ばした。

「な、ゆかり!?」
「なんか助かったみたい!ハッ!」

俺の眼前に剣が現れた。

「あっぶな!」

身体を反らせ、それを回避する。もしミクにハンデがなければ、俺の目は両方共潰されていただろう。

「ごめんなさいマコトさん。私のせいでチャンスが……」
「大丈夫だ。それよりも、少し考えついたことがあるんだが」

ゆかりにそのことを伝える。

「ってことだ。出来そうか?」
「わかりません。でも、やってみる価値はあると思います」

よし、恐らくこれがラストチャンス。そして、これが今一番ミクの意表をつき、一撃を入れることが出来る最善の策だろう。

「頼むぞゆかり!」
「はいっ!」

刀を下段に構え、足に力を貯める。そしてそれを開放し、ミクに肉薄する。先程とは違い、全神経を集中させる。

「また直進ですか。あんまり言いたくないけど、馬鹿ですかマコトさん」

馬鹿で結構さ。元々何かを考えるのは得
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