第15話 後悔
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....まあ、人体の活動に大きな影響が出るだろうね?」
人間には、それぞれ特有の脳波パターンが存在している。
それは別の呼び名で云えば思考パターンだ。
このパターンは今までの経験から形作られている。
通常であれば、長い時間を掛けて変化していく脳波のパターンを短い時間で強制的に変化すれば......
自分を自分たらしめている脳波はなくなり、別の誰かに思考を機械的に行うだけだ。
心臓を動かす、息をする等の生命維持に必要な場所以外は全て乗っ取られてしまうことを意味する。
「サソリが言った通りだわ。つまりレベルアッパーを使った人達は無理矢理脳波を弄られて植物状態になったって事?」
「誰が何のつもりでそんな事を......」
御坂と白井は、医師の言葉を信じられないように言葉を発した。
サソリは車椅子を動かして、カエル顔の医師の前にあるパソコンへと写輪眼を向け続けている。
「......」
何かを探しているかのように巴紋をした眼が忙しなくサソリの視野を拡げるように動き回る。
そして、カエル顔の医師は続けた。
「......僕は職業柄いろいろと新しいセキュリティを構築していてね?その中に一つに人間の脳波をキーにするロックがあるんだね?」
キーボードを叩き、ある情報のページを表情させる。
三人は覗き込み、御坂と白井は息を呑んだ。
「それに登録されているある人物の脳波が植物患者のものと同じなんだね?」
キーボードを動かし、推定された脳波パターンの主を拡大表示にする。
「木山......春生!」
脳波のグラフと共に、顔写真が映っている。
喫茶店でレベルアッパーの調査を依頼した「木山春生」その人だった。
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