第15話 後悔
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たしももう眠っちゃうのかな。そしたらもう二度と起きれないのかな」
何の力もない自分がいやで
でも憧れは捨てられなくて
「無能力者(レベル0)って欠陥品なのかな」
「何を......」
バスのタラップをやや強めに踏みしめると辺りをキョロキョロと伺う。
もちろん、ここに居るはずはない。
だけど、追い詰められている佐天の影を探し出す。
電波や電子音が伝える音声だけがこの場にいる初春に佐天の存在を教えていることに憤りを覚える。
佐天を奪い去ろうとする電子音
初春と佐天を繋ぐ電子音
このあり得ない同居が初春には許せなかった。
「それがズルして力を手にしようとしたから罰があたったのかな......危ない物に手を出して周りを巻き込んで!あたしっ......」
自責の念に苛まなれてしまい。自分の周囲が見えなくなった佐天は滔々と罪を次から次へと口に出した。
初春は払うように電話越しに大きな声で「大丈夫ですっ!!」
と言い切った。
「もし眠っちゃっても私がすぐに起こしてあげます!佐天さんやアケミさんも他の眠ってる人達もみんな......だからドーンと私に任せちゃって下さい」
「初......春?」
初めて佐天は、聞き入れる用意が整った。
初春の予想外の行為に涙が堰を切ったように連なる。
「佐天さんは欠陥品なんかじゃありませんっ!能力なんか使えなくたって、いつも私を引っ張ってくれるじゃないですか」
もう周りの眼なんか関係なかった。
いま、今切り出して置かなければきっと後悔する。
風邪を引いてなければ
もっと佐天さんを見ていれば
もっと佐天さんを知っていれば
もっと早くレベルアッパーの調査に臨んでいれば......
数えきれない後悔の波が押し寄せてくる。
どう足掻いても変えられない望郷の過去。
だから、取り返しがつく後悔なら解消しておきたい。
「力があってもなくても佐天さんは佐天さんですっ!私の親友なんだからっ」
気がつけば初春も涙を溜めて、しゃくりを上げる。
「だからっ!だからっ......そんな悲しい事言わないで......」
止めどなく流れ落ちる涙が佐天の声を伝える携帯電話に付いた。
道のど真ん中で大きな声で語りかける初春を周りの人間は奇異な目で見ている。
「ぷっ、アハハハハ。初春を頼れって言われてもねえ」
「わっ私だけじゃないですよ!御坂さんや白井さん、それにサソリさんだって居ますから」
気持ちが軽くなった気がした。
佐天には自分が白井さんに助けられた時に、白井さんが攻撃されている間、何も出来なかった。
見ている事しか出来なかった。
そんな中でサソリがいち早く駆けつけてくれた。
サソリが言ってくれた言葉。
「能力なんて人それぞれだろ。お前が気が付いていないだけ
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