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ハーメニア
いつもの日常
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えてください!」
「おわぁ!お、お前……別にいいけども」

まさかそうくるとは……。

「それと、前から思っていたんですが」
「ん?」
「マコトさんは私の事、結月って言いますよね」

唐突な話題転換だな、おい。そういえば、いつの間にか結月は俺のこと、名前で呼んでいたな。いつからだったっけ。ああ、そうだ。昨日の夜からだ。

「私達、一応ではありますけど、家族なんですよね。なのに苗字で呼ぶって、おかしくないですか?」



そう言われると確かに……。

「はい、では名前呼んでください」
「今ぁ!?」
「今です。さぁさぁ」
「いや、別に今じゃなくても……って、だし巻き卵取るなよ!」
「名前呼ぶまでモグモグ……食べ続けますモグモグ……」

ぐぐぐ、このままじゃ俺のだし巻き卵が……。呼ぶしかないか。大丈夫、たった三文字。

「分かった、ゆかり。分かったからだし巻き卵を食べるのをやめてくれ……」
「よし、よく出来ました。では食事を続けましょう」

三個目の俺のだし巻き卵に手を伸ばそうとしていたが、その手を引っ込める。危うくだし巻き卵が全滅してしまうところだった。

               AM7:00

七時。いつもならマキがやってくるころだが

「おっはよう、マコト!」

やってきたか。

「今日もいい天気だ……よ……」
「あ、マキさん。おはようございます」
「……しまった」

完全に失念していた。マキはここにゆかりが居ることを知らない。かと言って、昨日あったことを話したところで信じてもらえるとは思えん。

「なぁんだ。ゆかりちゃんいたんだ。私よりも早く来るなんて、すごいね」

割りと普通の反応……。えっ、そういう感じに解釈するのか。これは助かった。

「そういえばさ、さっきミクちゃんとあったよ。元気してたみたいだから、良かったよね」

それを聞いて俺とゆかりは顔を見合わせた。どうやらあの後、ちゃんと無事に帰れたようだ。もう学校に来れるということは、昨日の傷は癒えたのだろうか。そこが少し心配だ。

「それよりもさ、私今から事務所行かなきゃでさ。もしマコトが起きてなかったらって思ったけど、ゆかりちゃんがいるなら安心だね」
「ああ、そろそろ新曲出すんだっけか。わかった、頑張ってな」
「頑張ってください」

外からクラクションが聞こえる。オジサンが待っているのだろう、マキは俺達に手を振って部屋を後にした。

「マキさんすごいですよね。あの年で人気バンドのギターをやってるなんて」
「小学生の頃からすごかったけどな、俺もここまでなるなんて思わなかった」

あいつが母親を亡くしてからか、急激にギターが上手くなったな。幼なじみとしても鼻が高い。



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