友達
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られて、任務も遂行できずに……。
(大体そうだよ、マコトさんを殺れなかったのなんて、完全に馬鹿じゃん。今までだって殺す機会なんていっぱいあったのに)
こんな時なのに、思い出すのは学校でのことばかり。マキさんにあってギターを教わって、マコトさんに会って優しくしてもらって。ああそうか、私がマコトさんを殺せなかったのは、そういうことか。
(楽しかったんだ。一緒にいるのが、だから『兄さん』たちの命を無視してまで私は……)
刀が振り下ろされるのが分かった。ああ、もう少しだけ、みんなと一緒に……
「させるかぁ!」
「させませんっ!」
…………なん……で?
「なんで……。マコト……さん、それにゆかり……さん」
PM XX:XX
結月と俺で着物男の刀を止める。これは流石に予想外だったのか、驚いた表情を浮かべ、後ろに下がった。しかし、これはなかなか。体にくる物があるな。
「驚いた。ゆかりはまだしも、君が響器を発動させるとはね」
「そんなことはどうでもいいんだよ!これ以上続けるなら、俺達が相手だ!」
紲月歌を着物男に向け、叫ぶ。結月も隣でチェーンソーを構え、既に臨戦態勢だ。
「……やめた。興ざめだ。リーダー、また何かあったら呼んでください」
刀を納め、姿を消した。
「消えた!?」
「ステージを無効化なんて……やっぱりあの人は次元が違う」
そんなレベルなのか。勢いと覚悟だけで飛び出したが、正直戦いにならなくてよかった。
「ミクちゃん!」
結月がミクのもとに向かう。俺も急いでミクのもとに走る。
「大丈夫か、ミク!」
「まだ意識は辛うじてあるようです。マコトさん、手を」
結月が手を差し出してきたので、先ほどのように握り返す。今度は俺の中から、力が結月に流れ込んでいく。
「私の音と、マコトさんの音を合わせて治癒を試みます」
「俺はどうすれば?」
「ずっと音を流し込んでいてください。できればミクちゃんとの思い出を浮かべながら」
結月に言われた通り、ミクとの思い出を思い返す。
『回想』
ミクと初めて会ったのは、今から一年前。俺達が二年生だった頃だ。
『あなたが新しく入ったギターの子?』
『え?そ、そうですけど……』
『私、弦巻マキ!一応だけど、ここでギターさせてもらっってるの。話は聞いてるよ〜』
最初に話しかけたのはマキだったな。筋の良いギターの子がいると話を聞いて、喜々として部室に行き、ミクと話していたのを覚えてる。初めは有名な人物に話しかけられて、焦ってたが、少しずつ一緒に演奏をするごとに仲良くなっていった。
『マコトさんはなんで
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