暁 〜小説投稿サイト〜
ハーメニア
友達
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
られて、任務も遂行できずに……。

(大体そうだよ、マコトさんを殺れなかったのなんて、完全に馬鹿じゃん。今までだって殺す機会なんていっぱいあったのに)

こんな時なのに、思い出すのは学校でのことばかり。マキさんにあってギターを教わって、マコトさんに会って優しくしてもらって。ああそうか、私がマコトさんを殺せなかったのは、そういうことか。

(楽しかったんだ。一緒にいるのが、だから『兄さん』たちの命を無視してまで私は……)

刀が振り下ろされるのが分かった。ああ、もう少しだけ、みんなと一緒に……

「させるかぁ!」
「させませんっ!」

…………なん……で?

「なんで……。マコト……さん、それにゆかり……さん」
               
              PM XX:XX

結月と俺で着物男の刀を止める。これは流石に予想外だったのか、驚いた表情を浮かべ、後ろに下がった。しかし、これはなかなか。体にくる物があるな。

「驚いた。ゆかりはまだしも、君が響器を発動させるとはね」
「そんなことはどうでもいいんだよ!これ以上続けるなら、俺達が相手だ!」

紲月歌を着物男に向け、叫ぶ。結月も隣でチェーンソーを構え、既に臨戦態勢だ。

「……やめた。興ざめだ。リーダー、また何かあったら呼んでください」

刀を納め、姿を消した。

「消えた!?」
「ステージを無効化なんて……やっぱりあの人は次元が違う」

そんなレベルなのか。勢いと覚悟だけで飛び出したが、正直戦いにならなくてよかった。

「ミクちゃん!」

結月がミクのもとに向かう。俺も急いでミクのもとに走る。

「大丈夫か、ミク!」
「まだ意識は辛うじてあるようです。マコトさん、手を」

結月が手を差し出してきたので、先ほどのように握り返す。今度は俺の中から、力が結月に流れ込んでいく。

「私の音と、マコトさんの音を合わせて治癒を試みます」
「俺はどうすれば?」
「ずっと音を流し込んでいてください。できればミクちゃんとの思い出を浮かべながら」

結月に言われた通り、ミクとの思い出を思い返す。

              『回想』

 ミクと初めて会ったのは、今から一年前。俺達が二年生だった頃だ。

『あなたが新しく入ったギターの子?』
『え?そ、そうですけど……』
『私、弦巻マキ!一応だけど、ここでギターさせてもらっってるの。話は聞いてるよ〜』

最初に話しかけたのはマキだったな。筋の良いギターの子がいると話を聞いて、喜々として部室に行き、ミクと話していたのを覚えてる。初めは有名な人物に話しかけられて、焦ってたが、少しずつ一緒に演奏をするごとに仲良くなっていった。

『マコトさんはなんで
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ