ハーメニア
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てたんだよ」
何で思考読んだんだこの人。とは言え、この人がいなければ俺はもう死んでたかもしれないってことか。感謝はしておかなくちゃな。でも何でそいつらは俺たちを狙っているんだ?
「それよりも何で奴らはマコトさんを?」
「それは簡単だ。マコトがハーメニアとして、覚醒が近いからだ」
俺が?そのハーメニアってやつだと?
「そうじゃないと奴らが狙う可能性は少ないからね。だからそろそろ」
その時だった。俺の耳に再びあの音が聞こえた。頭を焦がすような痛みが俺の体を襲う。お守りを手に取るが、既に効力を失っているのか、痛みは引かない。以前と同じように身体から力が抜け、倒れ込みそうになる。
「くっ……ま、またか……よっ」
「マコトさん!?」
結月が倒れそうになった俺の身体を支えてくれる。そして俺の耳元で何かをつぶやく。すると、先ほどの痛みがウソのように引いていく。一体、何を。
「私が音を打ち消しました。一時はこれで大丈夫なはずです」
「がくぽ、敵の位置は」
着物の男が刀を鞘から抜き、床に突き刺す。そして力を込めると、床に波紋のようなものが広がっていく。
「……見つけた。丁度真上か。舐めたマネをしてくれる、僕が居るというのに直接攻撃とはね」
そう言うと着物男が姿を消す。
「ゆかり、マコト、外を見てくれ」
親父がゆかりを呼ぶ。痛みが引いたので自分の足で立ち、親父のいる窓のもとに向かう。外を見ると、半透明の薄い膜の様なものが家の周りを覆っていた。
「ステージまで作っているなんて。ここで戦うつもりですか、敵は」
「ステージ?」
「ハーメニアが作ることにできる、戦闘用の舞台です。外からはここで起こっていることが見えなくなります。その代わり、こちらから外への介入も不可能になりますが」
本当にファンタジーみたいになってきたな。
「がくぽさんが気になります。外に出ましょう」
結月の言葉に頷き、俺達は外に出た。
PM XX:XX
外に出ると、着物男と誰かが戦っていた。敵はフードをしており、顔は見えない。素人目だが、どうやら着物男のほうが優勢のようだ。とはいえ、フードの方もうまく攻撃を回避しており、未だに致命の一撃は入っていないように見える。
「がくぽさんが攻めあぐねてる。なんて相手なの」
結月が戦慄している。やはり着物男の実力は相当なのだろう、故にそいつと戦える相手の方も、それに拮抗するほどの実力を持っているということが分かった。絶え間なく刀と剣がぶつかる音が響いている。その時、着物男の裾にフードの剣がかすったのが見えた。しかしそれと同時に、着物男の方も刀をフードに当てており、相手のフードが外れた。
「よっ。相手さん結構や
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