音怪-前編-
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M12:35
「「「いただきまーす」」」
屋上にやってきて設置してあるベンチに座り、昼食を取る。昼時の屋上は俺達以外にも数人が食事を取っていた。
「あれ、マコト今日は弁当じゃないんだ」
マキが口に玉子焼きを運びながら尋ねてきた。いつもなら弁当を作ってきているのだが今日はいろいろとあったせいで作る時間がなかったのだ。
「ってきりもう作ってるものかと思ったから、朝聞かなかったけど。言ってたら作ってきてたのに」
「流石に悪いからな」
よく『一人分も二人分も変わらない』というセリフを聞くが、実際は結構と変わったりする。俺がそう思うだけで、他の人は総とは限らないがな。
「そういえばなんで詠月さんはうちに帰ろうと思ったんですか?」
「あ、そうそう私も気になった。なに、悪い薬で飲んだ?」
「お前らな……顔を見せに行けって言ったのはお前たちだろ。それに……色々と話さなきゃいけないことが出来たしな」
そう言うと結月とマキが首を傾げた。まぁ、言ったところで夢と言われるか、頭のおかしい奴にしか思われないからな。黙っておくことが一番だろう。
「そういえば聞いた?変な噂が流れてるらしいよ?」
「「変な噂?」」
マキの突然の話題転換に結月と返答が被ってしまった。
「そそ、私も今日聞いたんだけど。この頃ココらへんで着物を着た刀持った、時代錯誤も甚だしい人が出るらしいよ」
ぶっーーーーーーーーーーーー!
「ちょっ!突然飲み物吹き出すのやめてよ!きったないなぁもう」
だってそりゃお前。俺が見た奴と全く一緒じゃねぇか!えっ、なに。あいつってそんなに大手を振って町中歩いてるの?マキには見えてなかったから、なんかそんな感じのかと思ってたのに。
「いや、ホントかどうかはわかんないよ?友達の友達がネットで見た話らしいし」
「そ、そんなの嘘だろ絶対。今の時代に刀を差した男なんて居るわけ」
「そ、そうですよ!そんな時代錯誤も甚だしい少しおかしい男の人なんて居るわけ無いですよ!」
なぜか結月も吃りながら答える。そうだよな、普通に考えてそうだ。そんな変な男がいるわけ……いや、ちょっと待てよ?
「ちょっと待って。ねぇゆかりちゃん」
「なあ、結月」
「はい?」
マキがこちらを見る。どうやら全く同じような疑問を抱いたようだ。
の
「「なんで男って思った ?」」
んだ
沈黙が訪れる。結月の顔が段々と青ざめていく。
「べべべべべべべべべべ、別に!そんな気がしただけです!そんなことよりもご飯食べましょう、時間がなくなります!」
焦りながらもものすごい勢いでご飯をかきこんでいく結月。
なんだかうまい具合にはぐらかされた気がする
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