音怪-前編-
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」
「かわいいだなんてそんな。マキさんのほうが綺麗ですよ」
「またまた〜。おだててハグぐらいしか出来ないよ?」
そういっていきなりマキが結月に抱きついた。結月がジタバタともがいている。助けてと聞こえたが、おそらく気のせいだろう。さて、俺は先に行くか。
AM8:30
一足先に教室に到着した俺は、携帯を取り出した。メール作成画面を開き、宛名に親父を選んだ。
『今日放課後そっち行く。何時に帰ってくる』
簡潔に、伝えたい事だけ書いて伝える。この時間ならもう仕事に行っているだろうし、返事は後でかな。と考えていたが、携帯が新規メールを受信した。案外、どころか予想以上に早かったな。
『今日は六時には帰る。ゆかりと一緒に来い』
とだけ、文面には書いてあった。そういや親父も無駄なことは書かずに、伝えたい事だけ書く派だったな。携帯をポケットにしまうと、俺は立ち上がり、先ほど登校してきた結月の元へと向かう。
「あ、詠月さん。さっきお父さんから連絡が来ました。今日は一緒に帰りましょう」
「そうか、連絡きてるなら良かった」
と、会話を終えた時、俺はこの会話が他のやつに聞かれたらヤバイということに気づいた。これって事情がわからない奴が聞いたら、完全に……
「よーづっきくーん。一体どういうことかなぁ?」
声に反応して後ろを振り向くと、クラスの男どもが血走った目でこちらを見ていた。これはヤバイ、マジヤバイ。マキの方を見て救援を求めよう。
(マキ、救援頼む!)
(……(*ノω・*)テヘ)
(*ノω・*)テヘ……じゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!そのまま目を話して女子との会話に戻りやがった!こんなことをしてる間にも、男子たちはジリジリと近づいてくる。事情を説明すればなんとかなるか?いや、これは無理だ。なんとか結月に口裏を合わせてもらうしか……
「こ、これには事情があってだな。な、結月……」
「結月ちゃんならさっきトイレに行ったぞ?」
ノゾミガタタレター。
その後男子から怒涛の質問攻めにあったのは言うまでもなかった。
PM12:30 昼休み
昼休み、昨日の約束通り俺たちは屋上で昼食を取るために、ミクを呼びにやって来ていた。しかしどうやらクラスにはおらず、彼女の同級生によると、体調不良で今日は学校に来ていないらしい。
「ミクちゃんが休みかぁ。珍しいね」
「あんまり風邪とかひきそうじゃなかったもんな」
ふと横を見ると、結月が深刻そうな顔で何かを考えていた。
「どうした結月?」
「……え?あ、ああ。いえ、ミクちゃん大丈夫かなと」
「インフルとかじゃないだろうし、大丈夫とは思うぞ」
「後でメールしとこうかな。仕方ないし、私達だけでも行こうか」
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